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混乱────。
だって、僕も、大和も男で────。
友達で────。
俺には、晴山さんが……いて────。
「……や、大和のことは好きだよ。……その、友達だし、」
「俺は恋愛感情だっつってんの」
ギシ────
大和が僕の方に体重をかけるから、ベッドのスプリングがゆっくりと軋む。
静かな部屋にそれだけが響いて、2人だけが意識させられる。
「だって……男同士で────」
あれ?……僕も、晴山さんも、男同士だよ……?
「その、一年半も一緒にいたから────」
あれ?……晴山さんとは会って三、四日だよ…?
なんだろう……なんで僕は晴山さんに惹かれたんだろう────
大和だって、カッコよくて、しっかりしてて、僕が女だったら申し分ない彼氏になるのに────
なんだこれ……大和と晴山さん……全然、違う……
胸の奥がきゅううっとなって、心の底から晴山さんが恋しくなる。
大和にはこんな感情持ったことない。
きっとそれが答えだ────。
「……付き合ってる人がいる」
「え……。お前、そんな事一言も……」
チラリと大和を見ると、ショックを受けたような顔に、心がズキリと痛む。
けれど、ここでしっかり言わなければ、大和に申し訳ない。
そんな気がする。
「……ついこの間付き合い始めた。」
「同じクラスのヤツ?」
「……年上の、大学生……」
晴山さんの顔を思い浮かべる。
キラキラしてて、カッコよくて、僕なんかほんとになんで付き合ってるか分からないぐらいいい人で、まだ全然知らないから、知りたいと思える存在で。
一緒にいて、本当に楽しい存在。
『裕太』
あの声をもう、鮮明に思い出せてしまう。
名前で呼ばれる度、苦しくなる。
そんな……存在は、晴山さんだけ────。
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