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不法侵入者
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──コンコン、
緋結と話してたらドアをノックする音が聞こえてきた。
「誰だろ? 僕出るね」
「うん。ありがと」
そう言って緋結はドアの方へ向かう。
(伊咲先輩かな?)
と思ってベッドに座ると、とんでもない名前が聞こえてきた。
「あ。れいちゃん!」
は!? なんでアイツが!
その名前に俺は慌てて布団の中に潜り込む。
「未月、いるだろ」
「悠季くん? いるよー」
緋結! なんでいるって言っちゃうんだよー!
そう言った後、中へ入ってくる足音。俺は布団の中で息を潜めた。
が。
「……バレバレなんだよ。バカ」
「!!」
布団を剥ぎ取られて即見つかってしまった。
「なんだよ! 帰れっ」
「ゆ、悠季くん……?」
俺の態度に緋結が戸惑うけど、当の本人は特に動じることもなく。
「緋結、コイツ借りるから」
何!?
「嫌「うん。いいよ!」」
ちょっ、緋結!? 笑顔で見捨てんなよ、バカ!
流木は抵抗する俺の腕を掴んで、無理矢理ベッドから引きずり下ろす。
(クッソ! 力で敵わないのがムカつく!)
「嫌だ! 行かないっ」
「いい加減諦めろよ、ガキ」
諦めるか!
「俺、お前の恋人に近付くなって言われてんだよ! 別に近付いた覚えねーけどっ」
「あっそ。だから何?」
「なっ、」
「お前、今の自分の立場わきまえたら? バカな下僕は言わねぇと分からないわけ?」
(下僕!?)
あれってなくなったんじゃないのかよ!
「え、何話してるの?」
しまった! 今緋結いるの忘れてた!
でも会話は聞こえてなかったみたいで安心……できないけどな! この状況でっ。
「なんでもねぇよ。行くぞ」
「っ……」
あぁ、やっぱりコイツには何言っても敵わないのかよ!
「悠季くん! れいちゃんよろしくねっ」
何がだよっ、よろしくしたくねーよ!
ズルズルと引き摺られるように俺は強制連行された。
バタン!
流木の部屋について、俺はその腕を思いっきり振り払った。
「何なんだよ! お前、この前全部なかった事にしてやるって言ったじゃん!」
「あぁ。言ったね」
「ならっ、」
「でも言われた通りしなかっただろーが」
その言葉にあの日の記憶が蘇る。
「や、やった! 俺はっ」
な、舐めたくなかったけど舐めたし!
「やってねーよ。俺をイかせる所か、先にイったくせに何言ってんの?」
う゛……。
そう言い返されて何も言えなくなる。
「俺がしたようにしろって言ったけど、お前何一つできてないからね」
「でもっ」
「反論すんなよ、下僕」
「っん!」
頬を撫でられたかと思ったらいきなり引き寄せられて、深く唇が重なってきた。
「ふ、んぅっ……」
口内に舌が入ってきて満遍なく犯される。
「ん、はぁ……ぅんんっ」
苦しくて息継ぎした後にまた塞がれて、長いキス。ぎゅっと流木の胸にしがみつきながら解放されるのを待つしかなく。
そんな時……。
──カチンッ!
(!?)
「ん、は……なにっ」
変な音がしたと同時に右耳に違和感が走る。そっと手で触れると耳朶に何か刺さっていた。
流木を見れば笑って手にしているそれを俺に見せてくる。
「……ピアッサー?」
「正解」
え、これピアス開けられた!?
びっくりしてもう一度耳を触る。しっかりとそれは刺さっていた。
「なんでっ……」
「下僕の証? 俺の」
はぁ!?
「お前、ふざけんなよ!」
「痛くなかっただろーが。それともMなお前には痛い方が良かった?」
「そ、そーいう問題じゃねーし! てかMでもないっ」
「本当はこっちにしてやろうと思ったんだけどな」
「!?」
そう言って取り出したのは注射器の先端みたいな鋭い針。
「ニードル。次はこっちで開けてやるよ」
不敵に笑う流木。コイツの頭と背中に角と黒い羽が見えた。
「か、帰る!」
(こんな危険な所にいられるか!)
立ち上がって俺は足早にドアの方へと向かう。
「未月!」
いきなり背後から呼ばれてつい振り返ってしまった。
「左にピアス開けんなよ」
「なんで……」
自分でなんてそもそも開けないけどね(痛いから)!
「開けたらお仕置ね」
「!!」
ふっと笑った流木に背筋が凍る。俺は慌てて部屋を後にした。
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