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気持ちがわからない 3
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「わ…っ」
まじまじと見すぎたのか、手が滑り祐也の横に身体が倒れ込んだ。
「っ、いてて……」
凪が倒れた衝撃でベッドが軋む。
「ん…、」
その衝撃でか、祐也が小さく呻く声が聞こえ、凪は目を見開く。すると目の前には先程まで見ていた祐也の顔が真正面にあり、一瞬ドキリとする。
咄嗟に離れようと身体を起こそうとしたその時、祐也の綺麗な目が僅かに開いた。
しまった、遅かった。なんて考えてはぼう、とこちらを見つめる祐也の顔を見る。
すると、大分はっきりとしてきたのか、何度かぱちぱち、と瞼を瞬かせると凪の顔をものすごい形相で見る。
「…な…凪……?」
少し掠れた声で祐也が凪の名を確認するように口から紡がれた。
「…よう、」
取り敢えず挨拶した凪に更にすごい形相になる。
「な、なななななぎ…っ!?」
ばっ、と起き上がり後退りすると、顔を真っ赤に染めてベッドから転げ落ちた祐也。
それを見て凪はおかしくなって笑う。
「何やってんだよ、祐也」
凪は倒れ込んだ身体を起こし、床に尻餅つく祐也を見て吹き出す。
「な、凪!お前何でいるんだよ…っ!」
焦った様子の祐也に違和感を感じるが大して気にもせず言葉を紡げる。
「いーじゃんよ、心配してきただけだっつーの」
お前今日学校こなかったから、と繋げて話すと突然目の前に祐也が現れ、肩をがちりと掴まれる。
「…え…?」
「お前大丈夫だったのか!?」
「…な、なにが…」
「一昨日!…お前変な男に拐われてったじゃねーかよ!」
「お、一昨日?」
突然浮かぶ斎との情事。凪はかぁ、と赤く顔を染めていく。
「っ、だ、大丈夫だ!なにも問題ない!」
凪は祐也の鋭く向けられる目から逃れるように顔を背ける。
「……」
押し黙る祐也の、痛いほどに掴まれた手を離そうと腕を掴む。
だが、その腕は離されることはなく、少し恐ろしくなった凪は小さく祐也の名前を呼んだ。すると、突然祐也の腕のなかに身体がきつく抱き締められていた。
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