アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
お出かけ8
-
俺は裕矢と話しながらお姉さんとも話しながら目的地に着くのを待った。
裕矢は熊崎、柳、元橋にも懐いたみたい。
よかったなー
お兄ちゃんたち優しくしてくれて。
「着いたよ」
お姉さんが車を止めてこっちを向いた。
「あ、ありがとうございました。
運転お疲れさまです」
「ふふ。いいのいいの。」
「圭おりるよ。
姉さんありがと」
「あ、じゃあほんとにありがとうございました」
俺は車を降りた。
みんなはもう降りてるみたい。
「うん、また帰りねー」
ドアが閉まる前にそう聞こえた。
お姉さんいい人だな。
さすが熊崎のお姉さん。
「兄ちゃんっ」
車から降りたらすぐに裕矢が寄ってきた。
「お、車酔いしなかった?」
「うん、大丈夫!」
「あのお兄ちゃんたちは優しくしてくれた?」
「うん!優しかった」
「そっか。よかったな」
裕矢はニコニコ楽しそうに笑っている。
楽しそうで何よりだ。
「でも兄ちゃんとあんまりしゃべってない」
あれ?そうか?
俺はけっこう話してる気でいたけど。
「寂しかった?」
俺がかがんで裕矢と目線を合わせると、裕矢は少し泣きそうになった。
「兄ちゃ、…ぎゅーは?」
「そうだったな。
………裕矢おいで」
「兄ちゃん!」
裕矢は俺のところに飛び込んできた。
俺からぐえって声が漏れたけど、気のせいだろ。
裕矢をぎゅっと抱きしめてやると、裕矢が安心したように、えへへと笑っている。
「えー!ゆーやくんいいな。
けーと俺もぎゅーして?
ついでに蒼馬おいでって言って?」
俺の目の前で柳が甘い顔してなんか言ってる。
いや、俺がお前をぎゅーしたらおかしなことになるだろ。
「嫌だ。
これは裕矢限定だから」
「えーずるーい!」
「なにがずるいだ、バカ」
「けーと冷たい…」
柳は泣き真似をしている。
「兄ちゃん…泣いてるよ?」
裕矢が俺に抱きしめられながら、後ろを向いて柳の方を見てる。
「ぎゅーしてあげたら?」
ゆ、裕矢。
これは裕矢限定って言ってるのに…。
それに泣き真似なのに…
なんて純粋な子なの。
「ゆーやくんなんて良い子!
はい、けーと!」
なにがはい、けーとだ。
なんで腕を広げてるんだ。
「蒼馬ふざけんな、行くぞ」
柳は元橋にバシッと背中を叩かれ、イテッて言いながら笑ってる。
「圭いこ。」
熊崎が俺に手を差し出している。
俺は裕矢を抱き込んだまま、熊崎の手を掴んだ。
熊崎はそのままぐいっと引っ張った。
いきなりだったため、バランスを崩してしまった。
「っあぶな」
熊崎が俺の腕を引っ張って、抱きとめてくれた。
俺の胸の中に裕矢、熊崎の胸の中に俺と裕矢。
裕矢は俺と熊崎に挟まれて抱き込まれた。
「あ、くまさんごめっ」
顔を上げるとめちゃくちゃ近かったため思わず顔を背けてしまった。
「大丈夫だった?」
俺の背中に回った熊崎の手にグッと力が入った。
「うん、大丈夫。
ありがと。
裕矢ごめんな。大丈夫か?」
「だーいじょーぶー」
裕矢がちょっと苦しそう。
「くまさん、裕矢苦しそうだから、ごめんけど離してくれる?」
熊崎はそれを聞いて、近づいて来た。
熊崎の口が俺の耳の近くにあるのが感覚で分かる。
「離したくない」
俺にしか聞こえないように耳元で熊崎が囁いた。
いつもの声じゃなくて何というかエロい声?色気のある声で囁かれた。
思わず構えていたはずなのにぴくっと反応してしまった。
耳は弱いうえにいつもの熊崎の声じゃなかったからだ。
あんな声出すの?
イケメン恐るべし……
熊崎は俺の顔を見て、顔真っ赤。と言って嬉しそうに笑って離れた。
なんなの?
なんかの罠なの?
俺はどうしたらいいの?
この恥ずかしさはどうすればいいの?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
50 / 94