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01-2
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教室につけば、速攻で囲まれる航生。
笑顔でおはよう〜といいながらクラスメイト達と話し始める航生に今度は俺が不機嫌になる。
いいし、別に。
俺と付き合ってる事は内緒だし、告白されても恋人がいるとは言わない、誰にでも今まで通りの変わらない態度で。
付き合うにあたって決められたこのルール。
男同士だし、付き合ってることを隠すのはまぁいい。しょうがないことだし。
でもさ、恋人がいるってのを言わないってなに?
「綾瀬くん、」
「……なに」
「あのさ、朝日奈くんって、彼女いるの?」
「…いないって、言ってた」
「!本当!?」
「うん」
「そっか〜!ありがとうね!」
ほっとしたような顔をするのは勝手だけど、航生の彼女、でいいのかな、それは目の前にいるんだよなぁ……。
この手の質問はほぼ毎日、違う女の子から聞かれる。
最初は俺がそうだよ、と言いたくて仕方なかったけど、なんかもういいや。って思うようになった。
確かに、心は痛むけど。
「陽向、朝、なんの話してたの」
「お前に彼女がいるか聞かれてただけだよ」
地毛とはいえ金髪の俺に声をかけてくるやつなんてめったにいない。
黒髪にするか迷ってた時期もあったけど、航生がすんごい嫌がるからやめた。
「……俺、陽向と付き合ってるって言おうかな」
「なに。急に」
「いや、みんないつも陽向に聞くから。もういっそ陽向です、って言おうかなって」
「……やだ」
「なんで?陽向ももう聞かれなくて済むんだよ?」
「うん。それでも嫌。」
2度とそんなくだらないこと言うなよ、というように睨む。
恋人がいる、って言うのはいいけど俺が恋人だって言うのはダメだ。
航生の友好関係を壊すのはダメだ。
俺だけに笑ってほしいとは思うけど、ダメ。
「……陽向は、嫌じゃないの」
「なにが」
「俺が、告白されてるのを見るの」
「別に。なれた」
いつもと変わらない帰り道、会話は最悪。
もともとこういう会話を好まない上に、ルールを決めたのは航生のほう。
なので俺の気分は最悪。顔も見たくない。
「で?終わりでいい?」
「……もう我慢の限界なんだ」
「なんの我慢」
「陽向が、誰かと話してるのを見るの」
「はぁ?そんなのそれこそ付き合う前からだろ」
「だって……!陽向が誰かに笑顔向けるの嫌なんだもん……!!」
「うっせーよ!今更だろうが!我儘もいい加減にしろよ!」
言い争いの最中だが、航生の我儘に付き合う気もないし、辿りついた家に入る。
もう知らない。
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