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22ミッション(中也)
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男の語が始まった
「私達の持っている情報……其れはどの事を指すのかな?」
「俺が知ってるなら困らねぇな。なんせ、ボスからは『大事な情報』としか聞いてねぇんだ」
勿論嘘だ。
今回No.12のファミリーが持っている情報は結構大きい。
マフィアは勿論、幾つかの組織が欲しがるような情報だ。
ただ今回、その情報がNo.12に有るという情報を掴んだのはマフィアだけだ。
「ふむ…。あ、あれかな?今巷で噂の人気AVとか?『昼間の病院で看護師をソク────』」
「悪ぃな。うちのボスは幼女趣味で、生憎熟女は対象外だ」
「そうだったね!!幼女愛者……所謂ロリコンか」
……後でボスに怒られないだろうか……
後1分────
「まぁそんな事はさて置き、私としては今マフィアに居る者が欲しいんだよね────」
「ウチの者を引き抜こうってのか。ソイツぁ大層な考えだが、ウチの者はアンタらの組織じゃ扱えな────」
「中原中也君。君さ」
二ィッと気持ち悪く広がり笑う顔が背筋を冷やした。
後……15秒……っ、
「だから、交換条件でいかないか?あの情報は何処の組織にも大きな物だ。君が条件を飲めば────」
ガッシャァァァッン
「何だ!?」
倉庫の東側の窓が、一気に割れた
その音に驚いた男は彼方此方をキョロキョロと見回している。
そろそろか────
「何をした!?重力操作か!!」
「悪ぃな。馬鹿を相手にしてる暇は無ぇ」
勿論俺は何もしていない。
何もしていないが、させたことに間違いはない。
「悪いけど、私の中也を引き抜こうなんて、死んでも無理だよ」
「!!!?」
「やっと来たか糞太宰。遅せぇよ」
爆発でガタガタになった壁に寄りかかるのは、全身ずぶ濡れの太宰治。
「貴様はっ────」
「どうやって入ろうかと思ってたら、銀ちゃんが東側の窓割ってくれたんだけど、元々指令されてた感じだったから助かったよ〜。真逆中也の指示だとはちょっと吐き気がするけど」
「黙れ糞太宰。本当にちゃっかり入水してんじゃねぇ」
俺は重力操作を解き、男の前の柵に降り立った。
「水も滴るいい男ってね」
鼻歌交じりにキメ顔をキメてくるあたり、此奴は本当に自分が良い男だと思っているらしい。反吐が出る。
「中也、回収は完了したから、後は殲滅だ」
矢張り。
太宰がさっきから手を回して遊んでいたのは黒いチップだ。
男の後ろに立っていたのは、東側の銀が割った窓から入り、大型機器から小さなチップを取ったからだ。
「何!?いつの間にっ……」
「そんな事にも気が付けない様じゃ、幾ら人数が多くても此の横浜では生きてけねぇよ」
「糞っ」
男は俺の言葉にカチンと来たのか、スーツの内袋から折り畳み式のナイフを取り出した。
そしてそのまま、一番近い俺に切りかかって来た。
「おや、ボスは部下任せで武術はからきしと見た。そんな刃俺には当たらねぇ」
細い柵の上から身体を逸らし、ヒラリとナイフを避けた。
男は口述が上手い分、自分が騙されると癪に障るらしい。
縦横無尽、なんの脈絡も武法も無くナイフを振り回す。
方にハマらない動きは確かに怖いが、そんな柔柔とした振り方では当たるものも当たらない。
「おいおい、餓鬼でももっとマシな扱い出来るぜ」
「黙れ!!」
「頑張れ〜中也そんな奴早く叩きのめせよ〜」
自分は狙われてないからって……っ!!
悠々と応援する、いや、寧ろ面白そうに見ている太宰を睨みつけた。
「そのチップを返せ!!」
突然、男は太宰を振り返って俺に背を向けた。
余所見すんな────
「ぐっ……っ!?」
突然、肋に嫌な感覚がして、肋から全身に激痛が走った。
一瞬意識が飛び、ぐらりと身体が後ろに傾いた。
落ちっ────
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