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ご近所挨拶、再開
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「そのー、カズヤさん、どうだったかな朝ご飯は……」
食後、いつの間に皿洗いを終わらせた弓が料理の感想を聞いてきた。
「勿論すっごく、美味しかったです!」
言いたいことは色々あるが、笑顔で簡潔に答える。
この料理は百点満点中、五百点だったとか千点だったとか、色々と心の叫びを伝えたいのを、ぐっと我慢して。
「ほ、本当かい? あ、ありがとう……!」
まぁしかし、弓はそんな簡潔な感想でもかなり喜んでくれてるようで、その喜びようと言ったら、見ているこっちも嬉しくなってきそうだ。
「アオサギ」
「は、はい!?」
唐突に話しかけられ、勢いよく振り返ると目の前に一枚の紙を突きつけられていた。
「これ、は……?」
咄嗟にその紙を手に取る。
「このアパートの住民の事をまとめたメモだ。次に何処に行くか決めるといい」
そう言われて紙の文面に軽く目を通す。
(蛇男、死神、ゾンビ、妖狐……き、強烈すぎる……いや、でもどれも気になるなぁ……)
と、まるでファミレスのメニューを見ている様な気分になってきた。
「――吸血鬼野郎とかどうだ、坊主。なかなか面白い奴だぞ、からかいようがあって 」
「吸血鬼……? 」
いつの間にか背後に立っていた剱が、持っていた紙の隅をとんとんと指で叩いて、提案をしてくる。
「ここ、201号室に住んでる奴。ちょうどこの上だな」
そう言って天井を指さす剱。
……吸血鬼か。
血を吸う有名な怪物、創作作品では主役だったり悪役だったりで色々な面を持っているが……
このアパートに住んでる吸血鬼は一体どんな奴なのだろうか……。
………………き、気になる……。
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