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大胆な君が可愛くて4
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勝手知ったる部屋の筈なのに、変によそよそしいのはこのこもった空気のせいだろうか。
ずっと中にいた俺には分からないが、佑真の放った青臭いニオイが部屋に充満しているのかもしれない。
何も言わずに僚が窓を開ける。
外の新鮮な空気がスーッと頬を撫でていった。
それでも今までだってこういったことは幾度もあった。
最中に出くわしたことだってあったはずだ。
なのに今更苦虫を噛み潰したような顔をされても困る。
違和感が確信へと変わっていく。
「もしかして…」
そう口にしたところで言うのを止めた。
“もしかして…僚は佑真に特別な感情を抱いてる?”
俺に苦言するのも清水に本気でキレるのも真っ先に助けに行くのも…
そこに特別な感情があるからなのか?
でもそれでもし僚が“そうだ”と言ったら、俺は“あぁ、それなら…”と佑真を手離す気でいたのだろうか?
別に相手に困ってるわけではない。
だけど…楽しみはこれからなのだ。
『…責任取る気がないなら中途半端なことはするんじゃない。兄さんが泣いてるぞ』
叔父の言葉がフッと脳裏に過る。
責任…
互いに満たされればそれでいいような気楽な関係。
そんなセフレ相手に誰も責任なんてものを求めたりはしない。
佑真だって面倒臭いのが嫌でセフレになりたいと言ってきたんだろう。
それでも…一度でも相手をしてしまえば真面目な僚はきっと“責任を取る”と言い出すに違いないのだ。
責任感でぐるぐる巻きにされたって全然幸せなんかじゃないのに…
「僚も少しは遊んだらいいんだよ」
俺は知らず知らずの内に、窓から外を眺める僚の背中を睨みつけていた。
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