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「梁瀬、まだ怒ってるん?勝手にリレー代表にしたこと。」
「別に。もう諦めてるよ。」
特に体育祭のことでは動かなかった先週に比べ、始まったばかりの月曜日から練習が始まった。
火曜日には、部活で100mの測定をして、部活リレーの代表は、八尋先輩、橘木先輩、八草先輩、新垣先輩、夢菱先輩、伊角先輩、葛城先輩、久夜の8人に決まった。
3年生5人、2年生2人、1年生1人みたいな感じ。
でも100m測った時思ったのは、とりあえず皆結構早かった。
運動部ってやっぱ早いんだな、ってことを本当に実感した瞬間だった。
そして、木曜日の今日、朝からクラスリレーの練習が始まった。
部活内でもクラスリレーの練習とかでいない人が多いから、体育祭までの2週間、朝練は自主練になった。
「とりあえず、走者順決めとく?」
「後はバトンの練習だよな。」
「んー、先行逃げ切りで行くなら、俺と羽桜で最初走る?」
「それでもええで。アンカーは梁瀬をオススメしとくわ。」
「おいっ!久夜!!」
輪になって話し合うのはだいたい走者順。
それからバトンの練習に入ろうと思ってるけど、中々決まらない。
俺としてはどこでもいい。とりあえずバトンの練習がしたい……のだけれど、久夜はそんなに俺を目立たせたいのか……
俺、アンカーとか…やりたくない。
「廣川?」
「梁瀬はな、元陸部なんやで。せやからアンカーでもありかなー思うとるんやけど。」
「いいんじゃね?そしたら、アンカー前久夜にする?廣川も仲良い奴とバトンパスすんのが良くね?」
「有難い提案やけど、俺は2番目でええよ。オープンになる瞬間走り辛いやろ……いや、オープンになるんやったら、織部の方がいいのか?」
「俺もあんまり早くないから、羽桜が早いなら羽桜を1番にして、俺が2番目でもいいと思う。」
都賀君の提案をあっさり断った久夜を中心に順番を決めてく。
……俺はもうアンカー決定なんですかね?
ニコニコと喋らない谷地島君は何故かこっちを見てるし……怖い。そして何故?
俺と谷地島君はほぼ喋らないで、残りの4人で決めていく。
50mのタイムがどうとか言ってたけど、タイム的には久夜が一番早いらしいし、俺ら5人はほぼ変わらない…と思う。
から、どうゆう順番でも変わらないんじゃないかなって思ったんだけど…どうなんだろ。
「やったら、俺、最初走るわ。オープンなったら織部の方が得意そうやし。」
「で、アンカーは廣川君なら、アンカー前は俺か佐山だよな…」
「俺はどっちでもいいよ。谷地島をどこに入れるか、じゃない?」
「実際俺より谷地島君の方が早いんだよな。」
「え?俺??俺どこでもいいよー」
真剣に考えてくれてる4人に、俺も別に前は誰でも良い、なんて言えなかった。
だけど、結果的に、谷地島君が1走目になって、俺の前が久夜になった。
順番的には、谷地島君、織部君、佐山君、都賀君、久夜、俺みたいな。
順番も無事決まったところで、とりあえず軽く走って、バトンパスの練習をしてみる。
「じゃあ谷地島、そっから軽く走って俺にバトン渡して。」
「おーけー、じゃあ行くよ~!」
変わらない笑顔で走りだす谷地島君は、緩やかーに走って織部君にバトンを渡してた。
ゆっくりだけど、ちゃんと皆渡せてたし、こんなものだろうと、今日の朝練はここで終った。
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