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生徒会室の時計は18時をまわったところだ。
俺は人生でこれ以上ないってくらいの羞恥心と今闘っている。
膝を抱えてソファに座っている俺の横には、盛大に散らばった俺の白い液体を綺麗に拭いている遊星の姿。
優しいんだな………
魔王とか呼ばれてる奴が白い液体拭いてるよ…ははは
と、現実逃避をしてみる。
「泉、お前どんだけ飛ばしてるんだ。俺の顔に顔射してるんだが」
遊星が俺のBL本を目の前まで持ってくると、会長の綺麗なお顔に見事に俺の白い液体がこびりついていた。
「やめてくれぇぇぇー!!!!!!!」
バッと遊星からBL本を奪い取ると近くにあったゴミ箱へと投げ入れる。
俺のお気に入りのBL本……丹精込めて作ったBL本が……汚された
コミケで売ろうとしていた良作だったのに。
こんなんじゃ、もう売れない!
だってこれ見るたびに遊星とのえっちを思い出してしまうじゃないか。
それに……会長と浅川君のカップリングが描きづらくなったし、俺の楽しみだった生徒会の時間も失われた。
俺は今日、処女並に大切なものをいくつも奪われてしまったのだ。
許すまじ、田辺遊星。
ぎっと遊星を睨むと、ため息をつきながら俺の隣に腰掛けてきた。
「何怒ってるんだ。さっきまであんなに喘いでたくせに」
「怒るに決まってるだろ!俺は…俺は…処女を失ったんだよ!?BLは好きだけど、見てるのが好きなだけで、自分が当事者になるなんて望んでない!」
誰か時を戻せる力の能力者とかいないかな。
今日の朝の時間に戻して欲しい。
そしたら、BL本も鞄に入れないし、生徒会室も放課後行かない。
遊星とは、今まで通り会長と会計の間柄で、呼び方も会長のまま。
誰かー!時を戻せる人いませんかー!?
「じゃあなんでもっと抵抗しなかった。最初のキスで抵抗できただろ」
「突然のことだったから…そんなの」
そうだ。不意打ちだったのだ…それとBL本が見つかってしまったから動揺して…
「いや、お前は俺に好意を抱いている。間違いない」
ハッキリと宣言する雄星に思わず怯んでしまう。
この男は何故こうも断定してそんな恥ずかしいことを言えるのだろうか。
「泉は俺のことをよく観察している。俺の言葉の真意をしっかり理解しているからな。俺と話す時も物怖じしない。なにより、きちんと観察していないとあの本の中の俺は描けないだろ?」
ニヤリと笑う遊星。
確かに本作りのために盗み見していたけど。
それは趣味のためだけであって。
恋愛的な好きとかそういうんじゃ………
「ほ、褒めすぎじゃない?」
「そうか?俺は思ったことしか言わない。今まで気を遣ったことがあったか?」
確かにこの男は嘘を言わない人間だ。
ストレートに言い過ぎて、魔王とまで呼ばれているくらいなんだから。
「お、俺のことよく見てるんだね」
「ああ、そりゃあよく見ている。俺は泉のことが好きだからな。好きな子を目で追って、もっと知りたいと思うのは当然だろ」
あまりにもどストレートな告白に思わず、遊星の顔を凝視してしまう。
どんどん顔に熱が集まっていく。
好きだと言われても、今日まで2人で話すことも少なかったし、話したとしても生徒会の仕事の話ばかりで、プライベートな話はほとんどしたことがない。
「じゃあなんでもっと話しかけてくれなかったの?」
女々しい投げ掛けをしてしまっただろうか。
こんな質問をしている自分が恥ずかしくて、顔を埋めると、遊星が優しく俺の髪を撫でた。
「今度の文化祭で一気に距離を詰めて口説こうと思ってたんだが」
耳元で甘く囁いてキスを落とす。
耳は弱いから本当にやめて欲しい。
「俺男なんですけど…」
「男とか女とか関係ない。それに、あんなん描いてるくらいだから泉は偏見持ってないんだろ?」
何故こんなにも自信で溢れてるんだろうか。
なんだか全てを飲み込まれそうで怖い。
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