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ひとつ、報われる 2
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僕だけ聞いてもらって、おそ松兄さんだけかかえこむのはフェアじゃない気がした。
「おれもホモみたいなんだよね。しかも兄弟。」
「え!?」
嬉しかった。僕だけじゃなくて。
…チョロ松兄さんあたりだろうか。いや、一松兄さんか?
そこら辺によくからんでる。
「…とどまつ。お前のことすきだよ。たぶん、十数年くらい前から。」
「…」
十数年も前から?
僕がカラ松兄さんを好きになったのは最近だ。すっごい辛かった。
でも、おそ松兄さんに話したら楽になった。
…僕はずっとおそ松兄さんのことを苦しめてたんだ。
「お前はカラ松が好き。それでいいんだよ。カラ松もたぶん、お前のことが好きだよ。…これでいいんだよ。」
僕は何も言えなかった。
それをみかねたのか、帰ろうと言ってきたおそ松兄さんに頷いた。
「あ、トド松。ゴメン、公園よってもいい?」
「…うん。」
おそ松兄さんはとっくに空になったコップを、僕のと一緒に捨ててくれた。
きずいてたんだと感心し、きずくくらい僕のことを見てやのかと感じて申し訳なくなった。
こんな僕にまだ優しくしてくれたおそ松兄さんを見て安心してしまう。
おそ松兄さんは辛いだろうに。
「トド松、ちょっと抱き締めてもいい?」
「…うん。」
おそ松兄さんは泣かなかった。
僕を抱き締めてもいたのはほんの数秒で、そのあとはけろっとした顔で、また、帰ろうと言ってきた。心配だったけど、そんなおそ松兄さんを見て、少し安心してほほえんでおいた。
次の日、おそ松兄さんは消えていた。
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