アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
126
-
朝起きると、ハミドが顔中にバードキスを落としていた。
「起きたか、おはようシオン。」
えっ‥何この状況。
身体は清められているが、全身あちこち痛い。
スペシャルを背中から、足まで貼られている。
ハミドも、少しは反省してくれているのだろうか。
しかし、ベッドの中ではそんな気配はない。
俺をガシッと抱き締め、うっすらと上気した身体は爽やかな朝というより、エロやかな夕暮れ。
起きたらやろう、すぐやろうと、臨戦態勢にしか見えない。
俺は、匍匐前進でベッドから降りようとする。
「どうした?シオン。」
「‥帰る。」
「なっ!どういう事だ。」
「昼間っから盛って、もう!俺、ハミドに殺されかけてる。ジワリジワリと、削られてる。ハミド、お前パワフルに動き過ぎなんだよ、外へ出れば全力デート、家では、全力で抱き潰す。たまにはまったりと、イチャコラしたい。」
ハミドが眉間に皺を寄せる。
「イチャコラとは、なんだ?」
そこからかよ‥。
「つかず離れず、まったりとイチャイチャすることだよ。」
「ふむ、まったり、イチャイチャか‥」
「言っとくけど、まったりとイチャイチャに、シローさんのお茶みたいなのは、入らないからな。」
「シローの、お茶は芸術だからな。」
ハミドは、うんうんと頷く。
そこは解ってくれるか、良かった。
「そう、カフェで出されるようなお茶をしながら、時間を忘れてまったりと、ハンモックに腰かけて昼下がりのうたた寝とか。」
「ほうほう‥ 」
「山の上に登って、ボーと眼前に広がる海の小波をまったり眺めるとか‥それから、」
「‥どちらかにしろ!」
「えっ?」
「ハンモックと、広がる海のくだりだ。」
「うーん‥悩ましいな、じゃあ海かな。気分は夏もそろそろ終わることだし‥冬の海って寒そうだ。」
「そうか、では行くぞ。支度をしろ。」
チュッと頬にキスをされ、大きく伸びをした。
へっ?ハミド?
「見に行くぞ、海。」
フッと柔らかく笑うと、ガウンを肩に掛け、シャワーを浴びに部屋を、出てしまった。
とくん‥。
ハミドの精悍な尻、えくぼのように窪んでいるのな。あれ、めちゃくちゃエロいな。
俺は、勿体無い事をしたのかな?なんて、一瞬思いながらも、最終日は楽しい予感に胸を弾ませた。
「わっ!一番前だ‥」
「やはり、こういうのが好きだったか?」
「乗った事は無かったけど、すごいなー!グレイシスロマンスカー。ここって一番前は運転席じゃないのか?どうなってんだろう」
「運転席は、シオンの、真上。上にいるだろう?」
「ありゃ、本当だ」
「そして、特急電車と言えば、駅弁にお茶だろう。もちろん日本茶のペットボトルをセレクトした。」
「‥ハミド、えらく気合入れているな。」
「推理小説等で、この電車は出てくるだろう。現実には死体は勘弁だが、一度そういう列車で行けるのか試したくなったり、しないか?」
「ごめん、俺は全くしねー‥」
「‥そうか。」犬の耳が垂れてしまったようにシュンとするハミド。
思わず吹き出してしまい、駅弁をくれと手を伸ばす。
困ったように、俺の髪を撫でながら駅弁をくれるハミドと、肩道数時間の小旅行に行くことになった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
126 / 685