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176 R (微エロ)
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「でも、ハミドの方も大変そうだ。色んな所からの期待を背負ってそうだよね。」
カリフさんは笑いながら教えてくれた。
「そうだね、シオンに出会う前は、平日は学校が終われば夜10時まで仕事、土日は神に感謝して朝から眠るまで仕事、みたいな生活でね。ゴルフ場でもゲームするより、いい芝生はあと何年で作れるか知っている、みたいな人だったよ。勉強も控えめに言ってもかなり優秀な成績で…ここ数年は、とある傭兵部隊の軍事演習キャンプにも不定期に参加してて、国家規模でそれを実行するのは難しい位なんだ。ハミドの人脈だと出来る事なんだよね。誘拐されても一人で帰って来れる位には強いからスポーツ万能なんて言葉で片付けられるレベルは超えている。勿論日頃きちんと鍛錬して、これまた節制した生活をしてこそだ。あっ今年はそのキャンプ、ドハも参加させるって言ってたから、その間にシオンの護衛の事も考えなきゃだな。」
聞くだけで目眩がしそうなほど、ストイックな暮らしぶりだったんだ。
「何か、俺には絶対無理だわ。そんな生活。ストレスとか溜めないのかな…」
仕方ない、と困ったようにカリフさんも腕を前に組んで、首を振る。
「うーん、私にも無理だけど、責任感は異様に強いしプライドはエベレスト山並に高いからなんとかこなすんだろうねぇ。まぁ性癖はひどかったから、日本のアンティーク買うのとそれとで、何とかバランスは取ってたんだろうけどね…。」
「性癖?えっ…ハミド付き合ってた人、いたの…?」
カリフさんはしまったという顔をしたけど、俺は聞き捨てならない。目を見てしっかり聞く事にした。
「特定の女性ってのは居なかったよ。好みも激しくて、最後まで関係を持ったのはせいぜい3人か。シオンが男の子は初めてだったし。というより、あれもただの性欲処理って感じで私なら恋と呼べるものではないな…。まず、デイープキスは絶対させないんだよ?口に何を入れてるか分からないような輩の唾液を俺に飲ませるのかって、自分の顔も一切触らせない。思春期に入って、ムラっとはくるらしいけど、口淫させるか、挿れるのは処女のみで、ゴムは必須。自分からは前戯も後戯もしてあげない。自慰させて身体を作らせてから行為に至るとか、相手の女性からその話を聞いた時は、鬼かと思ったね。それでもいいって人が跡を絶たないし、指定した場所によく出向いて貰ったなぁ。事前に面倒の無さそうな節度ある女性にだけきちんと説明し納得して貰ってはいても味の悪さったら無かったよ。自分が満足したら、気絶してても放置して、とっとと帰るし。
それでも冷たさも魅力、とか、色気あるアノ時の声を一言でも聞けたら一生の思い出になる、だとか、歓迎されたら、本人も治しゃしないよね。ハミドの方がスパッと切ってばかりいたけど、ズルズル関係が続いてもいいって女性ばかりだったね。お買得物件なのかな、家柄も顔もそこそこいいし。」
…そこそこ、どころではないと思うけど…。
女性関係でカリフさんが大変な苦労をしたことだけは判る。
「シェザードとの後も、帰ってからシャワー流しっぱなしで泡でずっと身体洗ってたらしいし、匂いはもう取れたかって何度か泣きそうになってたよっ!そっちが被害者だったのかよって位、潔癖症で。
シオンも無体な事をされているんじゃないかと、心から同情するよ。」
ケッと吐き捨てるように、一気にカリフさんは喋ってくれた内容に、俺は頭が鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
潔癖症は、何となく心当たりがあるけど、うわぁ…な、事実。
「シオン?もしかして、だいぶ引いてる?そうなんだ、ハミドは潔癖症だから、多少シオンに触れない事もあると思うけど、許してやってね。私からすれば、かなり良くなってるほうで、驚くレベルでスキンシップをしているように見えるのだけどね。」
検討違いなフォローを入れてくれるが、恥ずかしくてあんまり言えない。
「でもね、それ以外では本当に優秀なんだ。私が贔屓目に見ている事を差し引いても、側近達は皆ハミドを心から尊敬しているし、彼も期待に応えようとかなり心を砕いているんだよ。もし彼が我が国の王になれば、今よりもっといい国になると期待する国民の声もあるんだよ。本国では彼の為なら命も惜しくないと仕える者が殆どなんだ。シオンの前では変態でどうしようもないハミドかも知れないけどね。」
カリフさんは、それでも困っているというより、とても誇らしげに熱っぽく語ってくれた。
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