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「……はいはい。ミケの好きは―――」
最後はごにょごにょと吃りながらだったので、完全に聞き取れなかった。
つばきをひとりの人間として好き。
これから、もし様々な人と出会っても、つばき以上に好きになれる人なんていないと思う。それぐらいつばきのことが大好きだ。
「よしっ!ケーキ食べるぞ!」
ぼーっと俯いているつばきを見ていたところで、急に立ち上がったつばきとばっちり視線が重なった。
そんな僕に優しく微笑み、冷蔵庫からさっき買ったケーキを取りに行くつばき。
生クリームにいちごとチョコレートのプレートと赤色服を着た白いひげのおじさんの人形が乗ったケーキ。
そっか。クリスマスって鷄――つばきの言うチキンを食べて、ケーキまで食べて、こんなに楽しいひと時を過ごす日なんだ。
またつばきのおかげで知らないことを知ることできたな。
それに、つばきの照れた顔も見ることができた。
「ミケには特別に、このプレートとサンタをつけよう」
そう言い、綺麗に三角に切り分けたケーキを皿にのせ、上にプレートとおじさんの人形をのせる。
チョコレートのプレートには白い文字で、Merry Christmasと書かれている。
「ねぇ、つばきこれ何て書いてあるの?」
自分の分もお皿に取り分けたつばきに、プレートに書かれている文字を指差して聞く。
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