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「ぜぇ……やっと…はぁ…捕まえたぞ…。」
「うわワンコちゃん顔真っ赤じゃん。大丈夫?」
「心配ありがとうてめぇのせいだけどな!!」
俺の為に廊下をたくさん走ったワンコちゃんの顔は真っ赤で、息も切れてて、誰にも協力してもらえなかったからか、少し涙目だった。
え、なんなのこの天使。しかも俺より背低いから見上げてるよね俺のこと。はぁ?えっちいなもう。
「んで?まだなんか話あるの?」
「あぁ?なかったら捕まえてなんかねぇよ…。」
「ワンコちゃんも結構俺のこと好きだよね。」
「はぁ!?好きなんかじゃ……!!」
「……俺は好きだよ。」
「なんだ急に…、媚びたって成績上げねえぞ。」
「ちっ…。」
「教師に舌打ちかてめぇ!」
あっぶねえええええええ!!
いやマジ危なかった、口滑った。好きだよとか言っちゃった危ねぇ。
まあ誤魔化せたし…セーフだよな?
「んで、何の話だっけ。」
「だーかーらー…。俺はな、お前の事心配なんだよ。」
「え、心配なの?やっぱ俺のこと好きだなぁ…。」
「…なぁ、真面目に心配してんだよ。お前ももう3年だろ。大学行くなら受験があるし、就職するんでも面接あんだろ。そういう見た目でいつまでもいたら、それは不利になる事は分かんだろ?」
「…別にいいよ。将来なんてどうだって…。」
「本当か?本当にそう思うのか?自分の未来を、どうだっていいって。本当にそう思ってるのか?」
「いや…普通に…本当だし。」
「…俺には、お前がいきがってるだけに見えねぇよ。…もっと自分を大事にして欲しい。好きな人と恋して、結婚して、幸せになってほしいって…思うよ。」
「ちょ、話が飛びすぎ…。」
「そ、そうだよな!悪い…。でも、それだけお前を心配してんだよ。なんかあったら話せ。俺はお前がそんな不良みてぇなナリしてても話聞いてやるからさ。」
俺はこの人のこういう所が好きなんだ。
俺がこんな見た目してても敬遠しないでくれる、皆と同じように接してくれる。皆に向けるようなひまわりみてぇに眩しい笑顔で俺を見てくれる。俺が一番欲しい言葉をくれる、この人が。
この人が、俺は──
「好きだ。」
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