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「…なんなんださっきから。熱でもあんのか?」
「あんたが…。犬井先生が好きだ。」
て、俺は何を言ってる!!!
こんな急に告白したって犬井が困るだけだろ馬鹿か!
「…ごめん。」
「…っ。」
俺はつい顔を下げた。
分かってた。こうなる未来しか見えてなかった。
付き合えるなんて、夢も腹を抱えて笑うような夢だ。
「無理だ、すまん。俺はお前の気持ちに応えられない。」
「…。」
「俺は、教師だ。誰か一人に肩入れする事はできないし、年齢差だってある。」
「それに…男同士だしな…。」
「別にそれについてはどうこう言うつもりはないぞ?趣味ってのは人それぞれだしな。」
なんで、この人は笑ってられるんだろうか。
男から告白されたんだぞ?気持ちわりぃだろ。
「なんで、笑ってられるんだよ…。気持ちわりぃだろ…。不快だろ…。もっと口汚く罵ればいいだろ…!男に好き好き言われんのは気持ちわりぃって!!」
「だから、思わねぇって。」
「嘘つくんじゃねぇ!!」
「本当だって…。」
「…じゃあ、教えてやるよ。俺はな、あんたが好きで、あんたの気を引くために今までこんな派手なカッコしたり、授業サボったりしてんだよ。」
「は…?」
「気持ちわりぃだろ?嫌だろこんなん…。」
「本当なのか?それ…。」
「あぁ、本当だ。」
「なんなんだよそれ…っ!!」
ほら、やっぱりあんたも気持ちわりぃって思うんだ。
当たり前だ、これが普通なんだ。
「…ごめんなぁ…。」
「はぁ…!?」
なんで、泣いてんだよ。
なんであんたが泣くんだよ。
「ごめん…っ。ごめんな猫村ぁ……。」
「なんで泣いてんの…。泣きたいのは俺だっての……っ。」
「だって…お前は俺の気を引くために自分の未来犠牲にしてんだぞぉ……!生徒にそんなことさせてたなんて……!猫村の未来を潰したのは…っ!俺だろ…!」
「俺が勝手にやったことだろ。」
「俺は、教師として恥ずかしい…!!情けないっっ…!!」
ああ、やっぱりこの人は普通とは違う人なんだ。
生徒が大切で、だから涙を流すんだ。
やめてくれ、そんな。慈しむような綺麗な涙で、優しい言葉を吐かないでくれ。抱きしめないでくれ。
俺まで、泣いてしまう。
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