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息子さんをください。 友side
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「あ、あの・・何故鼻メガネを・・・」
「あらっ!あらやだっ!気付いた!?」
自分が聞けつったんじゃん!
何なんだよ〜。
「これはね、貴方が鼻メガネを好きって聞いたから。」
「えっ!!??」
全然好きじゃねぇけど!!
誰だっ!!
嘘ついたの誰だッッッ!!!
「そうなんですよ。」
「那智!!お前か、嘘ついたの!!」
「嘘じゃありません。」
「嘘だろ!」
「予感、です。」
「嘘じゃねぇか!それらしい言葉言ってんじゃねぇ!」
「白鷺、さん・・・・?」
「ハッ!」
し、しまった!
お母さんいるの忘れてた!!
めっちゃ荒い言葉使っちまった!
「え、っと、あの・・・」
そのやりとりを後ろジッと見ていた大和が、俺の隣に
並んだ。
「母さん。僕はこれからの人生、友さん以外の人とは歩まない。歩めないんだ。」
「大和・・・そんなこと簡単に言っていいの?あなたはまだ高校生なのよ?これからたくさんの出会いがあるわ。」
「うん、分かってる。でも、もう僕には友さんしか見えない。友さんしかいらない。僕が僕らしく、強く、堂々と生きるには、友さん以外じゃダメなんだ。」
「大和・・・・」
そう声をかけると、大和はにっこりとこちらを向いた。
「友さん、僕みたいなお荷物抱えさせてごめんね。でも僕、頑張るからね。」
「バカだな・・・お荷物な訳ない。大切な宝物だよ。」
そこでようやくお母さんは鼻メガネを外した。
そして真っ直ぐに俺を見る。
大和と那智はお母さん似のようだ。
色白でクリクリッとした、大きな瞳。長い睫毛。
「白鷺さん。もし、大和を泣かせるようなことがあれば、
私は絶対に許さないわ。」
「はい、勿論です。」
「大和。あんたも親に啖呵切って決めたんだから、ちょっとやそっとで逃げ帰るんじゃないわよ。」
「うん。」
「頼りない次男ですけど、私のかけがえのない息子です。
どうかよろしくお願いします。」
「!!こ、こちらこそ、よろしくお願い致します!」
「母さん!」
頭を下げたお母さんからは、大きな嗚咽が聞こえた。
それに気付いた大和はお母さんのそばへ行き、背中を
さすっていた。
自身の目も潤ませながら。
いつの間にか鼻メガネを外した那智も、お母さんのそばへ。
その姿はとても微笑ましく、でも、親の背中はこんなにも
小さくなるんだなと思った。
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