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噛み合わない気持ち
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あれから、竜巻は家で賢く過ごしている。
トイレも散歩も、上手にできる。
オロチとも仲が良く、2頭でじゃれてることも多い。
ぼくは学校が始まり、高校2年になった。
「行ってきます。」
電車で数駅にある高校へは、自転車で通勤している。
校内へ入り、駐輪場に停める。
掲示板を確認してから、教室に入る。
「おはよう。」
適当に挨拶をして、指定された椅子に座る。
僕には親しい友人はいない。
仲良くなりたいとも思わないし。
僕と話してもつまらないだろうし。
淡々と新学期を過ごし、自宅へ戻った。
「図書館?」
「うん。閉館まで居るから。」
今度は電車で外出する。
部活動にも入ってないので、暇な時間を図書館で過ごす。
たまにブラブラと買い物をすることもあるけど、
無駄遣いはしたくないので、図書館に行く方が多い。
図書館ではいつも同じ席に座る。
「はぁ。」
久しぶりの学校だからか、すごく疲れた。
神経がすり減る感覚が分かる。
瞼が重い。
少しだけ・・
少し・・・
「閉館ですよー。」
ハッ!
寝てた!
「ごめんなさいね、閉館時間過ぎてるの。さっき見回りの時には気付かなかったわ。」
優しそうな司書さんに言われ、
「いえ、こちらこそ寝ていてすみません。」
恥ずかしいな。
早く帰ろう。
時間は、20時。
スマホを見ると、母さんからメールが。
『ドラックストアで頭痛薬買ってきて!
お母さん、頭が爆発寸前!!』
一度、爆発してもいいんだけどな、母さんは・・。
「はぁ。」
ため息をついて、駅へ向かった。
駅の近くのドラックストアを何軒か廻る。
母さんご指定の頭痛薬が無かったからだ。
「あった・・・。」
ようやく手に入れて、駅に向かう。
催してきたので、駅のトイレに入り用を足す。
「うぅ〜ん」
バッと後ろを振り向く。
なに?
「うっ、う〜」
なんだろう。
一つだけ閉まってる個室がある。
コンコンとノックをして、
「大丈夫ですか?駅員さん呼んで来ましょうか?」
シーン。
死んだ?
まさかね。
どうしたらいいかな。
ガチャ
ドアが開いた。
そこには、
「ー白鷺さん」
あの人が居た。
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