アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ひとりごと2
-
「?」
むうぅ、と小さく唸ったのが聞こえてキヨはそっと耳を近づけた。
「…キヨく…んの……あ…ほ…」
唐突に呟かれた言葉にどきりとする。
ちょっとやりすぎたか。
悪事がバレた子どもの様な気持ちで次の言葉を待ったが、続いた言葉は予想外のものだった。
「次……は勝………もいっか…い……だ、け…。」
次? 勝つ?
拾えたのは聞こえるか聞こえないかぐらいの途切れ途切れの言葉。
「…寝言…か?」
次の瞬間にはレトルトの寝息はまた元のリズムに戻っていた。
「…何、レトさん俺の夢見てんの?」
眠りを妨げない程度のボリュームで問いかける。なので疑問系ではあるものの実質ただの独り言でしかない。
寝言から察するにキヨとゲームで対戦でもしているようだ。恐らくレトルトは負けているのだろう。夢の中くらい勝っていてもおかしくないのに、やけに現実的というか夢なのに夢が無いというか…。
その夢の無さはある意味レトルトらしい。
想像して自然と頰が緩む。
何それ、可愛い…、
寝顔を見つめながらニヤついて…
はっ、と我に返った。
(何やってんの俺…)
思わず頭を抑えた。
うわー! 何これ何だよキモいだろ俺!!! レトさん相手に何考えてんのありえねぇ!!
自分で自分がドン引きだ。思わず転げ回りたい衝動に駆られるが眠っているレトルトが肩にいる事を思い出し、ぐっと歯を噛み締めて何とか耐える。
落ちつけ、落ちつけ…。
ちょっとした気の迷いだ。疲れてるだけなんだ、そうに違いない。
そう何度も言い聞かせる様に心の中で唱える。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 12