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他人じゃないんだぜ?
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「なぁ……お前さ、何時まで経っても
他人行儀な物言いだな。
直んないの?ソレ」
「スミマセン……でも」
「でも?」
「…………」
「自分がこの家で唯一血の繋がって
無い他人だから?」
「!」
心の中のくすぶりをあまりに
ハッキリ指摘されて俺は反論に戸惑う。
「お前、俺の弟になりたくないのか?」
「なりたい!なりたいに決まってます!」
「……てことは、やっぱり今は
そうじゃないと思ってるワケだ」
「あ……」
兄は溜息をつく。
「俺はとっくにお前は
弟だと思ってたのにな」
「おとうと……」
言葉の意味を噛み締める。
「それにだ、前に言ったろ。
俺の前ではお前らしくいろと。
覚えてるか?」
忘れるわけがない。
一言一句、大切にしている言葉だから。
「覚えてます」
「だったら」
「分かっています。
分かってる……けど、上手く
できない」
段々、感極まって涙腺が緩んできた。
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