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お休みの日は何してる?
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「石川君は休みの日とか何してるの?
やっぱ勉強?」
そう聞いてきたのは
同じクラス委員の小野さん。
プリント運びが大変そうだったから
手伝うよと声をかけ、職員室に行く
道すがらでの事だった。
「勉強はするけど流石に一日中は無いよ」
「じゃ他には?」
「ご飯作ったり、掃除や洗濯したり
皆とそんなに変わらないかな」
「……?えーっと……
皆そういうのあんまし……。
ていうか、ご飯とか作れるんだ?
もしかしてお弁当も石川君の手作り
だったりして」
「そうだよ」
「えっ!?マジで?」
「……お弁当って皆、自分で作らないの?
あ、そっか男は親かもしれないね。
じゃ、女子だけか」
「あ、あ……う、うん?」
小野さんは何故か顔を引きつらせてたけど
何か不味いことでも言ったのかな。
「石川君は何で家事やってんの?
もしかして、お母さん病気?」
「ううん。兄さんと二人暮らしだから」
「あ、ごめん」
「何で謝るの?」
「だって……」
「ああ、母さんは元気だよ。
大学に行ってる兄さんに俺がついて
きてるだけ」
「なーんだ、びっくりした。
でも尊敬しちゃうよ、
勉強も出来る上に料理も上手いとか
石川君凄すぎじゃない?」
「全然凄くないって」
「謙遜しなくてイイよ」
――本当に謙遜じゃなくて。
他人に褒めてもらうような
事なんか何一つない。
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