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2ー10
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貴方には解らなくっても構わない。これは、私が遥か昔から持ち合わせていた気持ち。
それの何処が身勝手と言うのでしょう…。
「愛など紛い物にしか過ぎないだろう。解らないな…君がゼウダー卿に求める物が“死”そのものとは…」
だから、貴方が私を裁く事は許されないんですよ…。
「俺の一部になる事が“死”に値する。人格は消え、肉体は徐々に馴染んでいく…それでも求めるか?」
「えぇ」
「…」
「“死”という一言は、神にとっては身近な言葉だとは思いませんか。肉体から魂が抜け、輪廻して、新たな人生が始まる。ま、私の場合は貴方の一部になるのだから…新たな人生は送れませんが。屈託の無い選択は時に必要な気がします…」
大天使としての選択、母親としての選択。口にしたら限りないくらい色んな選択を迫られた。その中で唯一の解決策と考えた自分は、焦っていた。
大切な息子を護るというのが使命だと思っていたから。
あの子だけを失う訳にはいかなかった。
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