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モテる双子
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朝、4時……目が覚めた
外はまだ真っ暗で夜と言ってもわからないくらいだった
葵を起こさないようにそっと布団から出る
そして、昨日の廃工場へと向かう
そこには気絶しているのか寝ているのかわからない3人がいた
俺はビデオの再生を止め、メモリーカードを取り出してその場をあとにした
マンションに帰ってきて、再び布団の中に入って眠りについた
スマホのアラームが鳴った
今の時間は6時半
いつもなら7時に起きている
学校にはギリギリ、8時20分くらいに着く
ホームが始まるのが8時30分
今日は葵もいるから少し早く起きて、朝ご飯の準備をする
……あと1ヶ月後には中間テストか
テストとかめんどくさい
ある程度ご飯を作り終えて、葵を起こしに行く
「……葵」
「…………」
葵はスーッと寝息を立てて眠っている
「葵…葵っ」
「……んぅ…?」
「ご飯、できたよ」
「…んっ……」
葵は寝ぼけた様子で起きた
おでこに触れるだけのキスを落とす
すると、気持ちよさそうにしてからだを起こした
「…いただきます……」
「いただきます」
葵は少し舌足らずで言った
一口食べると、目を覚ましたようにパクパクとあっという間に食べてしまった
俺も食べてしまう
「美味しかった…ごちそうさまっ」
「ん、ごちそうさま」
食器を流しに持っていき、制服に着替える
「はい、葵の制服」
「洗濯してくれてたんだ…ありがと」
葵はへにゃっと笑う
心臓が煩く鳴る
ははっ…なんか、自分じゃないみたいだな……
ネクタイを緩く結んで合服のベストを着る
葵はカーディガンを着ていた
「カーディガン、暑くないの?」
「ん?…ううん、ちょうどいい」
「そっか…まだ早いけど……どーする?」
「…………たい……」
「……ん?」
「……もうちょっとだけ…ここにいたい……」
……っ……あー……なに、今の……わざとやってんの?
いや…葵がそんなことできるわけないか……
今も顔真っ赤にして俯いてるし
俺は葵を抱きしめた
葵も遠慮がちに俺の背中に腕をまわしてく
……葵からは俺の匂いがした
しばらく、俺たちは抱きしめ合っていた
「……そろそろ、行こ」
「………うん…」
「土日はちょっと用事あるから、それ以外でまた泊まりおいで」
「……んっ」
葵が寂しそうな顔をしていたから、泊まりに来るよう言った
土日は叔父さんの美容室を手伝う、というかバイトをする
去年の冬くらいから本格的に手伝いをしている
シャンプーの仕方だったり、髪の切り方も教えてもらったけど、さすがにまだお客さんの髪を切るまではできない
俺も客としてたまにお店に行って髪染めてもらったりしている
だいたいいつもは春休みや夏休みとか長い休みの時しかバイトには行かないんだけど……
たまに土日で手伝ってほしいと言われることもある
まれにだけど
その分、バイト代もちゃんともらってるし俺としても勉強になるからありがたい
学校に着くと、クラスの女子に囲まれて葵と離れてしまった
……女子ってなんでこう群れたがるんだろ…
俺は自分の席に着き、適当に女子たちをかわす
学校でも葵と話したいけど、葵は葵で兄の方にべったりだし
兄の方は俺のこと嫌ってそうでいつも睨んでくる
まぁ、別にいいんだけどさ
数十分し、担任が教室に入ってきた
HRが始まって今日の一日の流れを連絡し始めた
あっという間に午前中の授業は終わり昼休みになった
「深瀬ー飯食べよーぜ」
「おう」
クラスの何人かの男子と昼ごはんを食べる
「深瀬さ、その弁当いつも自分で作ってんの?」
「ん?…あぁ、うん…たまにパンとか買うけど」
「お前すごいよな〜家事もできて、勉強もできて、スポーツもできてって……できすぎだろ〜!」
「家事は一人暮らしだから、まぁ仕方なく…」
「俺らにもちょっとはできるDNAを分けてくれよ〜……」
「親に言えよ」
冗談交じりで話しながら弁当を食べる
すると、前の方で葵が何人かの女子と話していた
「葵くんのお弁当おいしそ〜!」
「…ありがと…けど、俺が作ったんじゃないから…」
葵は照れくさそうに言った
「そうなの?…じゃあ、彼女さんとか?」
「彼女ではないかな…」
「そうなんだ!じゃあ、今度私お弁当作ってくるよ!」
「…え、いやでも…そんな悪いし……」
「いいのいいの!」
「じゃあ、私朔斗くんに作ってくるね!」
「…俺もいいよ」
「そんなこと言わないで、ね?」
「「…………」」
二人はお互い顔を見合わせて黙ったかと思ったら、
「…ごめんね、気持ちは嬉しいんだけど……また今度作ってくれる?」
「俺も、また今度作って……な?」
と、見事に女子は顔を赤くしてそっかわかったと了承した
あの双子もモテるな
まぁ、葵はかわいいし母性本能をくすぐられる?のかな
兄の方はかっこいいからモテるよな、あれは
あの二人、けっこう女子にも男子にも優しいし気さくだから人気らしい
俺としてはあんまりモテてほしくはない
そんな出来事を見ていたら、あっという間に午後の授業が始まる時間になっていた
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