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ハミドの地下迷宮②
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うっ、ここはどこだ…。
真っ暗で何も見えないので、明かりを着ける。
随分と下まで落とされた感覚はあるが、途中で、右に曲がったり左斜めに曲がったりして、更にはここで終点と思った地面まで、また割れて落とされるという冷静に考える間を与えて貰えない程、あっという間に落ちていった。
一瞬、ラーラの罰ゲームかと疑ったほどだか、ラーラからの通信はない。
ドハもあとから落ちてきて、どうやら俺を助けに来るため、ラーラに発信器を出してそのまま追いかけて来たらしい。
《手間を描けたな、ドハ。》
ドハは時計を見ると、少し渋い顔をしながら《いえ、落ちる寸前でお助け出来なくて。ハミドには、お怪我がなくて何よりです。ただ、来た道を戻るには無理がありそうな距離で…役に立てずに申し訳なかったです。》
上を見上げてみると、だいぶ下に墜ちていったのが分かる。
もうここから這い上がるのは至難の技だ。
まぁ、そのうち衛星で探し出して引き上げられるだろうと、ドハと世間話でもして時間を潰した。
《カリフから聞いたが、ドハは今、とても忙しいらしいな。》
ドハは顔を真っ赤にして恐縮しているが、そうしていると年頃の子供のようだ。
《咎めているわけではない、シオンがな、ドハは忙しいからと真っ直ぐ家に帰っていたり、俺のマンションに頻繁に来るよつになっただろう。以前のように寄り道をしなくなり、実は助かっている。》
ラウンジにいる者に、料理やお菓子の作り方を教わっているようで、なかなか充実した日々を過ごしていると思うと…。
妄想の中でもシオンはつれないイメージで、ハミドが居なくても楽しくやってるから気にするなと、笑顔で言い退けて暮らしているかと思うと悔しい。
いや、虚しい事等、考えぬに限る。
ふと、ドハを見ると切ない顔をしている。どうしたと聞くと、辛そうに、遠くを睨み唇を引き結んでこう言った。
《実は、その…彼女は紫というのですが、もう別れました。やっぱり年下とは付き合えないと、言われまして。》
《…ヤったのか?》
《はっ?あぁ…まぁやることはやりましたが…》
《じゃあ、お前がしつこかったか、下手だっただけだろう。気にするな、次頑張るからまた抱かせろと言ってやれ。女なんて大した事は考えていない。》
ドハは口を開けて何を言われているのか解らないような顔をしていたが、急に顔をしかめるとなんですか、その身も蓋もない言い草は、と怒り出す。
やっといつものこいつらしくなってきたと思った。
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