アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3
-
「じゃあ、理事長室のフロアにある会議室でも借りましょうか。」
薫先輩がそう提案した。
「それなら生徒会フロアのすぐ上ですし、
資料とかも取りに行きやすいですね。」
生徒会フロアにある資料室。
そこにある資料は大事な物が多いから、基本的に生徒会フロアより下には持って行けない。
だから、理事長フロアにある会議室を使えるとなると、とても助かるのだ。
「そうですね。
というか、資料室の資料たちも、全部PCにデータとしていれてしまいたいです。」
何かと不便じゃありません?と薫先輩は言うけれど、
「あんな膨大な量、倒れちゃいますよ。」
そう言うと薫先輩は拗ねた顔をして笑った。
…生徒会室ではなくなったはいいけれど、理事長フロアということは翔兄と会う可能性がある。
2か月近く、彼からの連絡がないのは今まで初めてで、
しかも今の状況―つまり、園田彰がこの学校にいる状況―もあり、何を話せばいいのかわからない。
翔兄まで、僕を避けているんじゃないかって、…。
「では、あとで連絡しますね。」
「はい、待ってます。」
薫先輩はそう言って生徒会スペースから一般スペースへと降りて行った。
途端に上がる「「「副会長ー!」」」という声に律儀に応え、食堂を出て行く。
「何が"専属"だよ…、」
僕の呟きは、食堂のざわめきに紛れて消えていった。
結局僕は、いつもあいつに振り回されてばかりだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
67 / 223