アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
4
-
「なんて…何て言ってた?俺…」
「…」
「、変なコト言ってなかった…?」
「…」
「なあ、」
「え、ホント、どうしちゃったんですか、会長…」
いつもの冷静な園田彰はどこ行ってしまったんだろう、
最近は特に、冷たいと感じるくらいに"生徒会長"だったのに。
「いや…」
「そ、んなに僕に聞かれちゃマズかったですか…?」
「ちが、違う、そういうんじゃ…なくて…」
「じゃあどうして、」
「夢、見るんだ」
「ゆめ‥?」
「いつも、同じ、夢…」
「どんな、って聞いてもいいですか‥?」
「、後ろ姿の、夢」
ぱたり、園田彰が瞬きをしたときに雫が落ちた。
「へ…?俺、泣いてる‥?」
「、気付いてなかったんですか?」
「全然…。
ははっ、なんでだろうな、別に哀しくもないのに」
「…哀しい夢じゃ、なかったんですか?」
「…どうだろうな。
どちらにせよ…
哀しむ権利なんてないんだよ、俺には」
園田彰の顔は、十分哀しそうだった。
―なによりも、
たいせつなひとがいたんだよ
ほかのだれも、
なにもいらないというくらい、
たいせつなひとがいたんだよ―
"過去形なんですか?"
そう聞いたら彼は言った。
―どうだろうな
かれは、きえてしまったんだ
おれのまえから、
きえてしまったんだよ
しろくて、はかなくて、まるで、
ほんものの、雪みたいに、
あとかたもなく。
きたないおれは、
しろい雪にはゆるされなかったみたいだ―
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
87 / 223