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ー続 天使の牢獄ー
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住み慣れた部屋に戻ると、翔が微笑んで手招きをした
「美味しそうな匂い」
「クスッ」
「葡萄・・・・美味しかった?」
「ええ、とても」
「それはよかった」
全て仕組んだのは翔
でも、楓の体を知った俺は翔と同じように気に入ってしまった
翔とは違う魅力がある
「和海も彼が気に入った?」
「愛情はかならずしも1対1とは限らない事はわかっているくせに」
「そうだね・・・・正解」
そう言って、キスをしながら微笑んだ
楓の味がする
「ざーんねん」
「本当に」
微笑みながら体を離し、壁にもたれて錆び付いた鉄格子を見つめた
「新入りだ!」
「いつからここの看守は紳士になったんだろうね」
「本当に」
「・・・・・・・・・・入れ!」
「ったく・・・・・辛気臭い所だぜ!」
看守は最近、暴力的では無くなった
深夜のお楽しみも取り上げられてイライラしているはずなのに見ていて面白い
「何だ何だ?ここはホストクラブかぁ~?そんな顔をして凶悪犯だなんて笑わせるよなっ!」
馬鹿笑いをしながら上着を脱ぎ、背中に入れられた情けない顔の龍を見せ付けた
「俺の寝床は・・・・おっと、ここにしよう!」
「ダメ!」
「あ?」
「そ、そこはダメなんだ」
「うるせぇよ!」
「でもダメ!」
「お前、殴られたいのか?」
楓のベッドに腰掛けようとした男は、ゆっくり燕羽に視線を向けた
「そこは使われているんだ」
「誰もいないだろ」
「今はいないけどダメなんだ」
「関係ないね!どうしても使われたくなかったら俺をどかしてから言え!」
今、氷龍はいない
さぁ・・・・・どうする?
「とにかくダメなんだ!どいてっ!」
「黙れ!」
「いっ!!」
「ふん!」
転がった燕羽の体は翔の足元
突き飛ばされて簡単に転がる燕羽を見ながら男は鼻で笑った
「痛いなー、足が折れたかも」
「えっ、そんな事ないし!嘘言うなよ」
「と言う事は・・・・お前を突き飛ばした奴が悪いと?」
「そうだよ!だってそうじゃん」
「まぁ、それでもいいけど・・・・・じゃ、そこの馬鹿丸出しのお前」
「ああん?」
「謝って」
「ふざけるな!何でお前なんかに謝るんだ」
「何でって、足が痛いからに決まってるじゃない」
「はぁ??お前馬鹿か」
「謝って」
「死ぬか?それともここで犯してやろうか?」
「最低・・・お前に抱かれるぐらいなら死んだ方がいいかもね」
「てめぇ・・・・女みたいな顔して度胸だけはいいな、俺が可愛がってやるよ」
翔の腕を掴もうとした瞬間、あっさりかわして微笑んだ
「汚い手で触らないで欲しいんだけど」
「黙っていれば調子に乗りやがって・・・・俺には200人の舎弟が・・・・」
「いても仕方ないよね?だってもうお前はここから出られないんだから」
「今、金を集めてるんだ!こんな所すぐ出て行ってやる」
「へぇ・・・・・面白い」
「何がだ」
「ボスはボスでもサル山のボスみたい」
「はぁ?」
「限られた場所で俺がボスだと言う所なんてそっくり・・・・・でも、猿の方がお前よりはるかに賢いけどね」
「貴様・・・・・いい加減に」
「ねぇ・・・・・」
「あ?」
「ゲームしない?」
「ゲームだと?くだらない」
「そうかな?俺が負けたら好きにしてもいいよ」
「えっ?」
「何でもしてあ・げ・る」
「何でも・・・・・」
馬鹿な奴だ
翔の言葉を聞いて喉を鳴らしているとはね
「でも・・・・・お前が負けたら」
「何だ」
「そうだな・・・その汚い指をもらおうかな」
「は?何言ってるんだ」
「クスッ・・・・どうするの?」
「そのゲームは何だ?」
「そうだな・・・・カードはいかが?」
「カード?」
「そう、ばばぬき」
「ふざけるな!」
「単純でいいと思うんだけどなー」
「・・・・・・・・よし、それでいい」
「じゃ、決まりね・・・和海、カードを」
「はい」
翔は確実に遊んでいるな
カードを配り、二人を見つめた
「よし!ババはお前だ」
「そうだね」
「さて、勝ったら何をしてもらおうかな・・・・泣き顔を見るのが楽しみだ」
二人で始めたババ抜きは、あっと言う間に終盤になっていた
「よし、勘だけはいいんだよ・・・・・こっちだ!・・・・クソッ!!」
「勘も・・・悪いんだね」
「黙れ!さっさとやれ」
「どっちかなー、こっちかなー」
「早くしろ」
「じゃ・・・・こっち」
「はははっ!バーカ!!次は俺がハートの9を引いて終わりだ」
「どうぞ」
わざと外したのか
翔らしい
「こっちだ!クソッ!!」
「クスッ」
「何だ」
「いいのかなーって」
「何がだ」
「そんなに簡単に指を無くしても」
「ふん、勝てばいいんだよ!」
「勝てればいいね・・・・・・」
「早くしろ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「何だ」
「そろそろ飽きたから終わりにしようかと思って」
「は?」
翔は迷わずにジョーカーじゃない方のカードを引いた
「なっ!!」
「ゲームオーバー」
「待て!もう一度だ」
「それでもいいけど、指を2本無くしたいの?」
「馬鹿言え!俺が勝ったらチャラだ」
「いいけど・・・・・」
「俺が配る」
「どうぞ」
バレバレのイカサマか
無駄な事を
そしてそのまま5回負け続けた
結果は見ていなくてもわかるが、馬鹿な奴だ
「クソッ!何でだ!!」
「片手を失ってしまったね」
「黙れ!もう一度・・・・」
「いいけど、先に指をもらってからね」
「は?馬鹿か!ここに指を切るものなんかないんだよ!ばーか!」
「そうだね、切るものはないけどお前の汚い血なんか見たくもないよ」
「何だと!」
「和海・・・・アレを」
「はい」
翔もいい性格をしている
今更ながらそんな翔にゾクゾクするよ
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