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漸く書類整理が終わり、急いで戻る事にした
でも・・・・何かが変だ
みんなニヤニヤしながら俺を見ていた
嫌な予感がした
急いで戻るとそこには・・・・・・・
「椿っ!何をされた?しっかりしろ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・僕」
「誰にやられた?」
血だらけの椿を抱きしめながら、涼しい顔でお茶を飲んでいる翔を見つめた
「まさか・・・・・」
すると静かにカップを置き、俺に尋ねた
「ここで問題です・・・・どっちのせいにされたいですか?」
「何を言って・・・・・」
「後5秒」
「ふざけるな!」
意味がわかならない
どっちのせいだと?
「はい、時間切れー!と言う事は、氷龍のせいー」
「何を言っている、理由を聞かせろ」
「お前が俺の誘いを断ったからだろ?」
「・・・・・・・・・・・・・まさか、そんな事ぐらいで」
「そんな事とは酷いな、そう思わない?和海」
「そうですね」
「貴様・・・・」
落ち着け
こいつら相手に言葉で勝てそうに無い
「わかった・・・・・ちなみに・・・・・」
「なぁに?」
「椿のせいと言う事もあるのか?」
「しょうがないなー、サービスしてあげるよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
そう言ってイチゴを食べながら微笑んだ
「彼に氷龍を頂戴と言ったら断られたんだよ」
「なっ!」
「ホント、酷いよねー」
こいつ・・・・
全く悪びれていない
しかも、自分の言い分が当たり前だと思っているみたいに・・・・・・
そんな翔を見ていたら、背中に寒気が走った
それだけの為に、椿がこんな目に遭わされたと言うのか?
椿を抱きしめていると、イチゴを食べ終わった翔が指を舐めながら近付いて来た
天使のように微笑みながら・・・・・・ゆっくりと
「ラストチャンスです」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「俺の物になって?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ここで断ればまた椿は・・・・・・
今度は本当に死んでしまう・・・そんな予感がした
これは椿を護る為だ
そう自分に言い聞かせ、静かに頷いた
「よく出来ましたー!」
そう言いながら俺の上に乗り、そのまま押し倒され腕を絡ませて来た
「和海、そいつの手当てを」
「はい」
椿・・・・・
頼むから気を失ったままでいてくれ
「さぁ、はじめようか」
絡ませた舌は初めて味わう極上の味
肌もきめ細かく、いい香りが漂っていた
「まさか、まぐろじゃないよね?」
「・・・・・・・・・・・・」
静かに体勢を入れ替え、首筋に舌を這わせた
椿の事を考えながら翔を抱いた
どうする事も出来ない自分に腹を立てながらね
「やる気あるの?」
「えっ?」
「だったら見せてあげればいい・・・・和海」
「はい」
まさか!
「止めろ!!」
無理矢理起こされた椿の顔を無理矢理俺に向かせた
「・・・・・・・・・・・・・ううっ・・・・うっ・・・」
静かに泣いている椿
涙が床に零れ落ちていた
「さぁ、今度は真面目にね」
「・・・・・・・・・・・クソッ!」
椿には後でちゃんと話をしよう
体だけが繋がりではない
心さえ繋がっていれば俺達はこれからも愛し合えるはず
俺も椿を許せる
だから椿も・・・・・・・
「もういい・・・・」
「えっ?」
そのまま立ち上がり、綺麗なガウンを羽織ながら静かに言った
「和海」
「はい」
やはりどうしても椿の事ばかり考えてしまった
「ぐっ!!」
「えっ?」
翔の声と共に、鈍い音がした
嘘・・・・だろ?
嘘だ・・・・・・・
「椿ーーー!!」
簡単に首の骨を折るなんて人間じゃない!
いや・・・・こいつらは最初から人間であるはずがない
「椿・・・・目を・・・開けてくれ・・・椿っ!一緒に幸せになろうと・・・・お願いだ」
ぐったりしたまま動かない体を何度も揺らした
呼吸をしていない事などわかっていた
だけどっ・・・・・これは余りにも・・・・・
「何の罪も無い椿を・・・・・・」
「おかしな事を言うんだね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ここはどこ?ホテルだとでも思ったの?」
・・・・・・・・・・・・・・・返す言葉もない
そしてこいつらを殺す事も出来ない
力の差は明らか
きっと俺は瀕死状態のままやられるに違いない
「翔」
「何かな?」
「お願いだ・・・・墓を・・・こいつの墓を」
「ん~、どうしようかな」
「頼む!何でもするから」
「そう言ってお前は二度裏切ったよね?」
「今度は本当だ・・・・だから」
「じゃ、俺を満足させてよ」
「わかった」
「今度裏切ったら死ぬよりも辛い目に遭わせるよ?」
「ああ」
俺も人間をやめればいい
何も考えなければいい
何も考えないまま翔を抱いた
そう
恋人のように優しく激しくね
漸く満足した翔は俺にキスをして立ち上がり和海に言った
「和海」
「はい」
「素敵なお墓を・・・・そうそう花が好きだったみたいだから忘れずにね」
「かしこまりました」
敵にさえ回さなければ怖くは無い
要求にもおまけつきで応えてくれる
「なかなかよかったよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
こうして俺は、退屈しのぎだけの為に選ばれ弄ばれた
新しい奴らが来ても、俺は二度と誰も好きにはならなかった
翔は、わざと俺に新人を誘惑させてそいつが本気になると、目の前で俺の上に乗り支配した
それを見た奴らは、みんな悲しみの余り自ら死んで行った
悲しくは無い
そんな感情も忘れてしまった
俺には椿との思い出だけで十分だ
早く会いに行きたくても俺は死ねない
生も死も全て、翔に支配されていたから・・・・・・
きっと、それが俺の罰なんだろう
もう何十年、変わらずに俺は行き続けているんだろう
それすらも忘れた
何故老いないのかと尋ねた時、凍るような目で睨まれた
やはりこいつらは人間ではなかったらしい
今更だが本当に笑えるよ
それ以来、何も言わない貝でいようと決めた
逆らわなければ何もされない
無限の時間は退屈すぎる
だから退屈しのぎに俺はここで商売を始めた
金は入ってくるが余り意味は無い
今でもその金で高い花を輸入して椿の墓に供えていた
翔も今では何も言わないし、俺にも漸く飽きたようだ
そして次の獲物は楓
間違いないだろう
しかし俺にはどうする事も出来ない
本当に、情けないよ
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