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18歳以上ですか?
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「翔・・・・可愛いよ・・・翔っ!」
「先生、満足したらこれを見て」
「ああ」
俺は、あいつにおもちゃにされながら時間を作り、会社の顧問弁護士を落とした
意外と簡単に落ちてくれて助かったよ
「どう?」
「ああ、これで財産は全て翔のものだ」
「ありがと、先生」
そう
俺はこの堕落した先生を使って書類を作成した
書類の内容は俺が18になったと同時に財産を全て譲り受けると言う内容
もちろん、会社も家も全てね
「先生はずっと会社の為に頑張って欲しいな」
「ああ」
あいつに文句は言わせない
ちゃんと確認しなかったあいつが悪い
「でも、俺の誕生日までは内緒ね」
「わかっているよ」
「ありがと」
あんな紙切れ一枚であいつは全てを失う
ざまあみろだ
直筆で名前を書いて実印を押したのはあいつ
文句が言いたくても実の息子を抱いている途中に書いたなんて言えないよね
「じゃ、帰ります」
「ああ、今度会うときは誕生日だね」
「はい」
先生と言うだけあって、紳士的だ
無理強いはしないしね
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ビルを出てそのまま駅前に向かった
ここに来るのは久しぶり
俺は昨日高校を卒業して家を出た
もう就職なんてしない
でも、家を出たのはいいけど行き先がない
誕生日まではホテル暮らしかな
お金はたんまり貰ってるから心配ないしね
「ねぇ、遊ばない?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「一人なんだろ?」
馬鹿っぽい顔
「男ですけど」
「知ってるよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「君、経験あるだろ?すぐにわかった」
「あってもあんたはタイプじゃない」
「何だと?」
「何か?」
「大人しくしてやれば調子に乗りやがって」
「喧嘩なら受けて立つよ」
「はぁ?」
ぶち切れた男が掴みかかる直前、腕を掴んで投げ倒した
「いって・・・・・」
「弱すぎだね・・・・」
「覚えてろよ!」
「ふん」
でも、イライラはおさまらない
どうしよう
「こらこら!喧嘩はいけません」
そう言って誰かが頭の上にりんごを乗せた
「えっ?」
「久しぶり、元気だったか?」
「幻月」
「ごめんな、俺海外に行っててさ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「先週帰って来て、翔に会いたくて毎日ここに来ていたんだ」
その言葉に、胸がドキドキした
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「はい、お土産」
「えっ?」
「可愛いだろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
海外に行ってひよこの時計?
「それと、これは卒業祝いだ」
「ありがとう」
もう一つの箱には万年筆
「使わないかもだけどさ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
すごく嬉しい
嬉しいけど俺はもう・・・・・
ドキドキした分、悲しみも倍増だ
「どうした?」
「何でもない」
「そうだ、家に来るか?卒業パーティーをしよう」
「でも」
「嫌なのか?」
「そうじゃないけど」
「じゃ、決まりだ」
どうしよう
そんなに優しくされるとすごく辛い
「行こうか」
「うん」
そしてもう来る事がないと思っていた暖かい家にまた来る事が出来た
「どうぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・・お邪魔します」
「適当に座ってて」
「うん」
部屋の中は同じ
違うのはテーブルの上の花ぐらいだ
「どうしても行きたい所があってさ」
「そうなんだ」
「ドイツに行って来た」
「ドイツ?」
「料理の研究にね」
「へぇ」
「そうだ、先にお風呂にどうぞ」
「うん」
前と同じように先にお風呂に入る事にした
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
シャワーを浴びていると、中に残っていたモノが流れて来た
俺はもう汚れているんだ
俺はこの家には相応しくない人間なんだ
「クソッ・・・・・・」
悲しくて泣きそうだ
何で悲しいかなんてわからない
再会出来たのは素直に嬉しかったのにね
無言でリビングに戻ると、頭を撫でてくれた
「どうした?元気がないな・・・・何かあったのか?」
「・・・・・・・・・・・ううん」
「そっか」
それ以上は何も聞いて来なかった
「よし、出来たぞ」
「うん」
テーブルの上には美味しそうな料理が並んでいた
みんな美味しそう
「じゃ・・・・未成年だけど乾杯な」
「うん」
酒は散々あいつに飲まされた
まずいだけの液体に過ぎない
でも、このワインは美味しかった
「じゃ、卒業おめでとう!」
「ありがとう」
本当なら嬉しいはずなのにね
「食べろ食べろ!」
「うん」
料理は相変わらず美味しかった
でも、心は満たされない
多分、俺が満たされる事を拒否しているから
忘れてしまえる物なら忘れたい
消せる物なら消してしまいたい
でも・・・・・無理だから
「今夜も泊まって行くか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ああ、友達と約束とか?」
「無いけど」
「嫌なら無理には」
「嫌じゃない」
「そうか、じゃ決まりな」
「うん」
食事の後、またいろいろな話をしてくれた
その話を聞きながら、たまに触れる肩にドキドキしていた
数センチで触れそうな手を見つめていた
綺麗な手・・・・何でも作れる魔法の手
触れたいけど汚れた俺には触れない手
「おっと、もうこんな時間か・・・・先に寝てろよ」
「うん」
そう言って立ち上がった
前は結局いつの間にか眠ってしまったらしい
目が覚めたのは朝だった
でも、今夜は眠れそうに無い
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