アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-
「翔、お待たせしました」
「ありがとう」
「いえ、それで義足は?」
「うん、ここなんだけど」
「ではこちらに取り替えて下さい」
「わかった」
「壊れた方は修理に出しておきますので」
本当に義足だ
もう気絶はしないけど、何だか今までのイライラはどこかに消えてしまった
と言うか、むしろ尊敬したくなるレベルかも
「おや、貴方は」
「こ、こんにちは!燕羽と言います」
「そうですか、翔と仲良くして下さいね」
「はい!勿論です」
なんて、思わず返事を返してしまった
「では、今日は帰りましょう」
「わかった、じゃな燕羽・・・この事はお前と俺だけの秘密な」
「わかった、またね」
歩き方は普通の人と同じ
全く違和感がない
「う~ん」
そしてそのまま図書室に向かい、いろいろと調べてみた
何となく・・・・ね
「ふむふむ、なるほどー、だよね・・・普通はあんな風には歩けないよね」
ものすごく努力したのかな
そうじゃなければあんなに綺麗には歩けないしね
「へぇ、運動用の義足もあるんだ・・・でも、昨日は靴を履いていたよね」
う~ん
あの跳び方は相当経験を積まなければ出来ない
と言う事は、事故か何かかな
でも、思っていたような人じゃなかった
むしろ逆
すごくいい人かも知れない
迎えに来た人はお兄さんかな
すごく綺麗な人だった
兄妹だから綺麗なのかもね
「クスッ」
「嬉しそうですね」
「うん」
「でも、無理はいけませんよ」
「あいつさ、高いところが苦手らしい」
「おや」
「で、俺の義足を見て気絶したしね」
「気絶ですか?」
「うん、いきなり見せたからかなり驚いたみたい」
「そうですか・・・・それでいかがですか?」
「そうだな・・・・1年あればもしかしたら」
「わかりました」
日本にやって来て、俺達はあいつを捜した
あいつは懲りもせずまた監督をやっていたなんて笑うしかない
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうしました?」
「うん、昨日見た無表情の兄妹なんだけど」
「ええ」
「あいつら、相当厄介かも」
「断トツでしたしね」
「うん、物凄い身体能力を持ってるね」
「そうですか」
「やらされてハイジャンに来るなら問題はないけど、自分達からやりたいと言ったのなら・・・・ん~、間に合うかな」
「と言うか、翔」
「ん?」
「1年も延ばしてしまってよろしいのですか?」
「俺さ、高校に行ってみたかったから・・・・ごめんね?」
「そうでしたか、翔がそれでいいのなら私は何も言いません」
「関係ないけど、俺の父親は日本人だと母親に言われた事があるんだ」
「初耳ですね」
「うん、でもさ・・・どうして俺が日本語を話せるのかと考えたら、父親が教えてくれたのかなって」
「成程」
「けど、父親の顔すら覚えていないんだ」
「そうでしたか・・・捜しましょうか?」
「父親?」
「ええ」
「生きてるのか死んでるのかもわからないし・・・・・」
「何か覚えている事は?」
「そうだな・・・・・ん~~」
顔も覚えていないんだから何も思い出せない
何か・・・・ん~~~
そう言えばどうして離婚したんだろう
母親とは一回り歳の差があったらしいけど、その頃から若い男ばかり追いかけてたのかな
それで愛想をつかされたとか・・・・ありそうだけど
「ごめん、何も覚えてない」
「そうですか」
「それに日本にいるとは限らないしね」
「そうですね・・・では何か思い出したらおっしゃって下さい」
「うん」
父親か・・・・・
多分嫌いではなかったんだろうな
思い出せないだけで、きっといい人だったのかも
「話は変わりますが」
「ん?」
「学校で体育はどうしますか?理由をつけて見学することも可能ですが」
「体育か・・・・どうしよう」
夏は無理かな
後、プールとかサッカーは無理かも
でも、やりたいような気はする
「出来ない時だけ見学するよ」
「わかりました」
とにかく今は来年の大会に向けて燕羽を特訓だな
あいつが育てた選手に勝ってから最後にたっぷりとお礼をしなければね
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
72 / 307