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「ブッ……な、なんすか? これ……?」
手で顔を触ったら、ベッチャリする感触がある。
この感触からすると……食べ物らしい。
それに少し安心して、指で触れてから口に含んだ。
「んっ……甘い。先輩、これ……もしかして、ケーキ……ですか?」
「さあな……」
そっけない返事だったけれど、これは生クリームの味だ。
て事は……絶対、ケーキだ!
え? じゃあ……先輩、今日が俺の誕生日だからって、ケーキを買ってくれたんだ!?
「先輩っ! 俺、幸せですっ!!」
――ドカッ
「そんな格好のまま近づくな! オレまで生クリームで汚れるだろうがっ!」
喜びいっぱいで先輩に近づいて抱きつこうとした俺に、先輩がくれたのは蹴りだった。
「うぐっ……」
それはかなり効き目がよく、痛かった。
けれど……今日一日で先輩が俺の事を考えてくれてるのが分かったから、それだけで……幸せだ。
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