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淡い夢
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カメリア様とやって来たのはハンプディスト学園大学部の研究室。
ここは選択制の教室で、選んだ者しかこない部屋だ。
聞きたいことは山ほどあるが今は口を閉じた。
「あー!!今日は来た!!珍しい!」
「うるさい、エクア」
「みんなー、カメリア教授が来たぞー」
「呼ぶな。今日は別件で来たんだ」
「別件って……あ、なにその可愛い子。オレ好み。くっていい?」
「こいつに手ぇ出したら骨から肉をじっくり削ぎ落としてやるからな」
「うわ、こわーい」
「ちょっと奥の部屋借りる」
「え?ここですんの?ちゃんと防音しとけよ?」
「話すだけだ」
ほとんどカメリア様で見えなかったのだが、エクアという名前に聞き覚えがあった。
エクア・ランクル。確か純血悪魔で准教授。
カメリア様と仲の良さが伺えるほど親しく話していたので、悪くはない人物なんだなと認識した。
手首を引かれ、奥の部屋に入るときエクア准教授と目が合った。するとにっこりと笑いかけてくれたので、スアムも笑おうとしたが、ドアが閉まった。
「カメリア様?」
「エクアと話すな。目を合わせるな。近付くな」
「カメリア様」
「わかったな?」
「……はい」
「よし。ここに座れ」
「……はい?」
「ここに座れ」
「いえ、滅相もごさいません」
「オレが許可してる。座れ」
尚も首を振ると、冗談だ、といって諦めてくれた。いや、なんだかカメリア様の言う通りカメリア様の脚の間に座るなんて畏れ多すぎて多分話が頭に入ってこなくなるだろうから。
適当に近くの椅子に座ると、しっかりとカメリア様を見た。
美形なのは相変わらず。髪も艶やかで、服は彼をより良く引き立てている。
「スアム。最近どうだ?」
「色んなことが学べて楽しいです」
「友達はできたか?」
「カロエだけです…」
「もっと作れ。思考が偏るぞ」
「はい」
「基礎は一通り学んだんだろう?」
「はい。今はグレン様と実戦の練習をしています」
「大学卒業したら何になりたい?」
「ええと……決まってません」
情けなく、視線を落とすとカメリア様が脚を組んだ。
「なら、王城部隊を目指せ。そうだな、お前の実力なら第三部隊までいけるだろう」
「えっと、僕は……カメリア様の役に立ちたくて…」
「………それなら、さっきオレが言った通りにしろ。無駄にはならない」
「っ、はい!!」
顔を上げるとカメリア様と視線がぶつかって、かあぁっと赤くなると、カメリア様が目を逸らした。
それはそれで不安になるのは我儘になってしまったからだろうか。
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