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リフラ邸
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ただいまとカロエが声をかけるのは広々とした邸の大扉。つまり玄関だ。大扉を軽々と開けたカロエがどうぞと中に促してくる。
ベストルド邸とはまた違った緊張感だ。
中に入ると、美しい青い髪と真珠のような白い瞳を持った人が立っていた。
「ようこそ、リフラ邸へ。おかえりカロエ」
「ただいま、お父様」
その言葉を聞いた瞬間思わず二度見してしまった。
「カーリス・フェクトエイルです」
綺麗な所作で頭を下げたカーリスさんに、僕も慌てて頭を下げる。
「スアム・タリズです」
「カロエから伺っております」
にこにこと微笑むカーリスさんは女性と見間違えそうになるほど綺麗だ。
「お父様、リフラお父様はどこ?」
「作業場にいるけど、邪魔しちゃダメだよ」
「じゃあ、リチアお兄様は?」
「部屋に……あぁ、さっき出かけたね」
「ええー」
「ストレなら部屋にいるけど」
「ストレお兄様は……あとで」
「何か用があったの?」
「スアムのドレス作りたいんだけど」
「それなら──」
バァンという大きな音にカーリスさんの声は掻き消された。
「カーリス!!」
廊下に響く凛々しい声。慌ただしい音をたてながらやって来たのは黒髪に黒い瞳の美形な悪魔だった。
「ん?来客か?」
そこに居た堪れないくらいの美形に、スアムの片足が半歩下がる。
「あ、お父様。スアムのドレス作りたくて」
「スアム?カメリアんとこの?」
じっと見られ、自然と体が固まる。
上から下までジロジロと見られ、最後に悪魔のような笑みを浮かべられた。
「へぇ。カメリアはこんな趣味だったか。いいぜ、作ってやる。ついてこい」
「っ!リフラ!!」
「大丈夫。ちゃんと仕事もやる」
カーリスさんの腰を抱き寄せたリフラさんは、カーリスさんの額に軽く口付けを落とし、耳元で何かを囁いた。
みるみるうちにカーリスさんの顔が赤く染まり、リフラさんは悪戯っ子のような顔をして一人廊下を歩き出す。
「あぁ、そういえば、カメリアから聞いてるよ、スアム。オレはカメリアの少ない友人の一人、リフラ・レスファイアだ。よろしく」
ニッコリ笑った顔を婦人の方々が見たら一発で倒れてしまうんじゃないだろうか。
そう思いながら美しさでくらっとしたスアムはぺこりと軽くお辞儀した。
「よろしくお願いします」
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