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サロン
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ダンスの時間が終わり、再び談話が始まる。
その間、ドレスを身にまとった一部の者達がダンスパーティーの会場の奥、温室へと招かれる。
カロエが僕に一言断りを入れて温室へと向かう。
何をしに行くのだろうかと、ぼうっと軽食を摂っていると後ろからぎゅっと抱きしめられ、顎を掴まれ上を向かされた。
「なにシケた顔してんだよ」
無理矢理開けられた口にチョコレートを放り込まれる。
「ん……シケた顔なんてしてませんよ。カロエがいなくて話し相手がいなくなっただけです」
「オレじゃ不満か?」
「!滅相もない!!相手にして下さるんですか?」
「お前がオレの話についてこれたらな」
「相変わらずの意地悪ですね」
「なんとでも」
「それにしても、カロエはどこに行ったんでしょうか?」
「聞かなかったのか?」
「はい」
「フローラのサロンだろ」
「サロン?」
「フローラが選んだ者しか入れない花園だな。カロエみたいに未婚の者もいればリアスみたいに既婚者もいる。あそこに呼ばれればそれだけの地位は保証されるし、いろんな情報が手に入る。オレは呼ばれたこともないし内容なんて知らないがな」
「なぜカメリア様が呼ばれないのですか?」
「………………招待客の違いぐらい気づけ馬鹿。ラクスが行って、リハルが残る。リアスが行って、トルンが残る。フィリアが行って、グレンが残る。ロキが行って、ケイルが残る」
「つまり……あっ、なるほど。お嫁さんばかりですね」
「既婚者だけじゃないけどな。花園だって言ったろ」
「僕は呼ばれませんでした」
「今日のお前はカロエの連れだ。それに、お前の地位はまだ庶民だ。庶民のお前なんか呼んだらフローラのサロンの品位が落ちるだろ」
しゅんと落ち込むスアムをカメリアは敢えて慰めない。
「王城部隊に入ったら、呼ばれますか?」
「さぁな。決めるのはフローラだし、公爵位であっても呼ばれない奴は呼ばれない。そもそも人数に限りがあるからな」
「そう……ですか。サロンとは、誰でも開けるものなのですか?」
「開けるな。ただそれなりに礼儀を尽くさないといけないから関わると面倒だ。その一方で絶対的な味方を手に入れられる。まぁ、庶民のお前がサロンを開いても誰ひとりとして来ないだろうがな」
「わかってます」
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