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言の葉
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やって来たのは街が見下ろせる丘の上。
星のように光る街の明かりに、ざわざわと心を動かされる。
肩にカメリア様の手が置かれたままで、心臓の音が激しい。
カメリア様が話始めるまで口を閉じていると、ふっと短い息を吐いたカメリア様が僕の頭を優しく撫でた。
「ドレス似合ってる」
「あ、ありがとうございます」
「スアムだって気づかなかったのが悔しい」
「……そう、なんですか?」
「あぁ、一日ごとに綺麗になって……手が届かなくなりそうだ」
「……僕が帰る場所はカメリア様のところですよ」
「当たり前だ」
あの岩山の上にある、美しい庭園を備えた邸が恋しくて深海色の空を見上げると、手でそっと目を隠された。
「スアム。好きだ。そばにいてくれ」
答えを待つカメリア様は珍しく緊張しているのか、少しこわごわとした雰囲気を出していて、そんなところが可愛いと思ってしまう。
「僕はまだ知識のない子供ですが…………貴方の隣に立てる日が来るまで、待っていてもらえますか?」
「待たない。だから早く来い」
「っ、はい」
バニラのアイスにキャラメルを混ぜたように、完全に混ぜ合わさることのないものだけれど相性抜群で食べた時に心が無限大に広がるような高揚感にとても似ている。もっともっと貪欲になっていくのが自分でも分かるくらいにカメリア様の言葉が嬉しい。
「約束が欲しいです」
「もう、持ってるだろ」
左手首を撫でられびくりと反応する。
「でも、もう一つ」
「仕方ないな」
手を離して広がった先で、薄く笑ったカメリア様は僕の髪にそっと指を通して顔を近づけてきた。
「お前に永遠を誓う」
間もなくして唇が重なり合う。すぐに離れて、もう一度。更にもう一度と回数を重ねる度に深くなって、カメリア様の舌が僕の舌に触れた。
「っは、んむぅっ…………」
すっかりカメリア様にしがみついていて、カメリア様もしっかりと僕の腰を支えてくれる。
「っはぁ……この先はお預けだな」
「っはぁ、っはぁ……はい……」
いつもはキツイ眼差しが優しく温かくて、カメリア様に抱きつくと心が温かくなる。
「好きです。カメリア様」
心の底から出た言葉に自分で驚くも、カメリア様はそれ以上に驚いていて僕は笑った。
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