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接触
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学校帰りに第二部隊事務所を訪れると、受付のお兄さんがにこやかに迎えてくれた。
約束していたわけではないので会えるかどうかわからなかったのだが、名前を名乗ると会わせてくれた。
第二部隊隊長室。ソファーに座って向き合うトルン様はものすごく不機嫌で、今すぐにでも誰か抹殺してしまいそうな顔をしていた。
「…………用件は?」
「え……えっと……その……」
チラリと見ると、視線すら逃さないとでもいうように鋭い視線で咎められる。
「リアス様と仲直りは…………」
「お前の目は節穴か」
なんだかものすごく責められてる気分だ。
「…………で、ですよね…………。フラビが言っていたのですが……その……トルン様が謝ればリアス様も許してくれるんじゃないかと……」
「もう何度も謝ってるけどリアスが許してくれない」
「リアス様がご提示された条件……とか……」
「オレがその条件を呑む理由が分からない。リアスはオレのなのにどうして他の奴に構う?何故オレとの時間を割かなければならない?本当だったらお前なんて今すぐ切り刻んでやりたいけどそんなことしたらリアスに本気で嫌われるからやらないが……」
僕の命はリアス様が繋げて下さってるのだと今初めて知った。
「………………用件はそれだけか?それなら早く帰るといい。リアスが待ってる」
「はい……」
寂しげな顔をしたトルン様に一礼して部屋を出ると同じ隊服を着た悪魔達がジロジロと僕を見てきた。
「な、なんですか?」
「今の隊長に話があるって受付が聞いたっつーからリアスさんかと思ったけど……」
「これまた可愛いのが来たなー」
「可愛くても肝が座ってるからベストルド邸の子供なんじゃないか?」
「でも迫力ないぞ」
口々に言う目の前の方々を見て、悪いやつじゃなさそうだと判断する。
「え……と。今ベストルド邸にお邪魔してます。スアム・タリズです」
ぺこりと頭を下げると、ざわめきが止む。
「スアム・タリズ?」
「は、はい……」
「てことは……北の番人のところの子かー」
「隊長もリアスさんも釘刺しまくってたからなー」
「ちょっとだけもてなすか?」
「まあ、普通の話くらいならいいんじゃねーの?」
引き留められそうな雰囲気なので「失礼します!」といってその場から退散した。
それにしても、リアス様はトルン様が謝っても許さない。それならどうしたらいいのか…………。
悩んでいると曲がり角で誰かとぶつかった。
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