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試運転
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デビルマタンゴ。どれくらいの強さなのだろう。
フラビがホイホイ捕まえていたらしいのでそのくらいということなのだろうけれど。
ちょうど試したい魔法もあったので試しにやってみるのも悪くないのかもしれない。
デビルマタンゴを包むように四角い箱のような結界を張り、内側に雷の魔法陣を展開する。これまた威力の調整が難しい。力いっぱい放出してしまえば結界の方が壊れてしまう。なので、ギリギリの調整を試みる。攻撃をなるべく最大限に、結界が壊れない程度。そして相手を抹消できる威力の攻撃。
「ふっ…………」
グッと手のひらを握れば強烈な光と雷の轟音。周りにいる人たちに目が痛くならないよう遮光バリアを最初に結界を張った時に仕組んでおいたのだがそれでも少し眩しかった。
光が消えればデビルマタンゴの姿はどこにも見当たらず攻撃は成功した。
実験を成功した達成感に、今までのことを忘れて振り返ると、皆唖然としていた。周りを見回しても、隣の陣地で戦っている者もこちらに注目していた。
「?……どうしたの?」
「タリズ」
「はい、ニキヨン教授」
「今のは?」
「は、はい。結界の中で……雷の魔法を発動しただけなんですけど……」
「結界は自分で?」
「はい」
「雷の魔法は?」
「それも自分でやりました」
そこで気付いた。これはチームワークをみる試験だ。全部一人でやってしまったのだ。実技の試験は失格だろうか……。
チラリとニキヨン教授を見るとなにか考え事をしているようだった。その間に隣の陣地の方も決着がついた。
「タリズ。後で教授室に来い」
「はい……」
絶対怒られる……。
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