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中学の俺とあなた 影山side
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※このお話は、好きだから【及影】の192~206ページの番外編です。
お手数かけますが、先に本編の192~206を読んでからこちらを読んでください!
眩しい……
体育館内に響き渡る轟音
誰もが目を見開き、彼に視線が集まる。
それは、自分も例外ではなかった。
宙を舞い、ライトに照らされた汗がキラキラ輝いて、より一層彼を際立たせた。
逸らせない目線
身体がゾクゾクと身震いを起こし
何故か身体が熱くなる……
一瞬の出来事なのに、まるで日の光にずっと晒されていたかのように感じられるから、
それが今の俺には不思議だった。
震えたり、燃えるように熱かったり。
あぁ、本当に……眩しい
「及川、さん……」
ずっと見つめてても、見足りることはない。
彼の姿を瞳に焼き付けて、忘れないように……
「おいっ! 影山!」
「イテッ!!」
ただただ彼から目が逸らせなかった俺の頭に、突然強声と衝撃が与えられた。
頭を押さえながら慌てて振り返ると、呆れ顔のチームメイト、金田一が腕を組んで仁王立ちしていた。
その斜め後ろで、ため息を吐く国見の姿も。
「影山、早くトス上げろよ!
ボーッとしてたら練習になんねーだろ!
お前やる気あんのか?」
「なっ!? やる気あるに決まってんだろ!!」
「だったら余所見すんな!」
勉強ならやる気ねーけど、バレーはやる気満々に決まってる。
それにボーッとしてない!
ただ……及川さんのサーブを見てた、だけだ……
だって、あまりにも綺麗だったから。
「仕方ないよ金田一。
だって影山は及川さんが大好きなんだから。
俺達との練習より及川さんが一番なんだよ。
な、影山?」
「は? はぁ!?
なっ、何言ってんだ国見!!」
気だるそうな目でこちらを見遣る国見はいつも通りだけど、でもどことなしか口角が上がっているようにも見えた。
それに更に顔が熱くなる。
絶対からかわれてる……
「何赤くなってんの? 本当のことだろ?」
「ち、ちげーよ!
及川さんは男なんだから、大好きっておかしいだろ。
それに、お前らとの練習はスゲー楽しいけど……
及川さんのサーブがスゲー迫力で、スゲーカッコ良かったから、ちょっと見てただけだ……
その、悪かったな……」
素直に頭を下げると、金田一と国見にまたため息を吐かれた。
もっと呆れられたかな?
と思っていたら、今度は笑い出す金田一。
「ハハハっ。スゲースゲー言いすぎだ。
別にいーんじゃねーの男を大好きって言っても。
俺も及川さんのサーブとか凄いと思うし、尊敬してるし、及川さんのこと好きだって思ってる──
イッテェッッ!!!!」
金田一も及川さんが好きだって聞いて、嬉しいような、でも何故か複雑な気持ちになっていると、突然国見が金田一の足を思いっきり踏んだ。
「なっ! 何やってんだ国見?」
「別にー?」
「イッテーな! 何すんだよ国見!
マジくそイテーだろがっ!!」
「なんで俺がこんなことしたのか、よぉ~~く考えてみたら?」
「好きって言うのは、恋愛って意味じゃないって、お前が一番よく分かってんだろ!」
「知らねーよ」
「国見!! 怒んなよ。機嫌直せよ!」
なんでか分かんねーけど、珍しく感情を表に出して怒る国見を、慌てて宥める金田一。
それに首を傾げていると、眉をつり上げた国見が俺の後ろの方を指差した。
「ホラ、影山の大好きな及川さんが、丁度サーブ練終わったみたいだよ?
行かなくていーの?」
「べ、別に大好きじゃねーよ!」
「じゃあ嫌いなの?」
「嫌いじゃねぇ!!」
国見の質問に、声を大にして否定する。
そんな俺に国見は小さく笑って、手を振った。
「じゃあ、早く行けば」
「お、おう……ま、またな!」
俺を見送る国見の後ろで、アワアワと国見の機嫌を取ろうと必死な金田一。
そんな二人に手を振って、俺は及川さんの元へと駆け寄った。
「及川さん!」
「あっ、影山~ヤッホー☆」
ニッコリと優しく微笑む及川さんに、俺も自然と笑みを溢す。
「及川さん、さっきのサーブ、スゲーカッコ良かったです!」
「見てたんだ? ありがとね♪」
そんな言葉に、嬉しそうに俺の頭を撫でる及川さん。
触れられた瞬間、俺の胸がギュゥッとなった。
なんかスゲードキドキしながら、及川さんを見上げる。
「あ、あの及川さん、さっきのサーブのコツ、教えてください!」
「いーよ♪ でもまずはね……」
及川さんはニコニコしながら丁寧に教えてくれる。
さっきは違うって言ったけど、俺はやっぱりこんなにスゴくて強くてカッコいい及川さんが大好きだって思った。
もちろん、金田一と同じ尊敬って意味で好きなんだと思う。
何故か及川さんと一緒に居ると、胸がグワァってなるけれど。
このグワァってなる意味はまだよく分からなかった……
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