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まさかこんなことになるとは思わず、俺が今持っているのはスマホのみ。残念ながら財布すら家に置いてきた。 冗談じゃなく、無一文なのだ。 生憎すぐ泊まりに行けるような友人など持ち合わせているほどの交友関係は築いてはいない。
「久々の2人きりっつてたもんな……。それを邪魔すんのも野暮だよな…………。」
残された手はもはや一つだろうか…。
小さな覚悟をひとつ決めて、俺は馴染みの路地裏へと歩みを進める。街灯もあまり整備されていない様な薄暗い道は、変なものを呼び寄せそうな気味の悪さを感じる。
とても静かで、世界に自分しかいないのではないかという、不思議な感覚。
だから知らない。
気づかない。
俺の後をつけてくるような奴の存在なんて 。
鉄パイプを握って、頭を狙っているなんて。
ガッッッ!!!
「ッッッッァ゛!てめぇッッ………。」
「ククッこんな所でやり返すチャンスが訪れるとはなぁ……。」
霞む視界の中に見えたのは、汚い嘲笑を浮かべる男共だった。
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