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「あのね、ひろちゃん。私 来週の日曜日に手術を受けるの。」
月に2、3回、休日に見舞いに来ていた俺に、木戸はそう言った。
「手術...。そうか...。」
いつか来ると分かっていた。成功の確率が低い その手術。
「手術のとき...待ってるから。無事に戻ってこい。ずっと、終わるまで待ってる。」
俺がそう言うと木戸は泣きそうな顔で「ありがとう」と笑った。
______そうして、迎えた手術の日。
俺は朝から病室に来て、手術室に消えていく木戸を見送った。
暫くして付いた赤いランプ。
外の緑色をした細長い椅子に腰を降ろしながら、俺はただ無事に終わることを祈るしかなかった____。
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数時間後。フッと消えたランプと同時に、医師が出てきて一言。
「手術は、無事...成功しました。」
「せ...いこう...?」
セイコウ...成功!
その言葉を聞いた瞬間。全身の緊張が抜け、喜びが駆け巡った。
「成功!?本当ですか!!」
横から聞こえる大人の声。横を向くと、見舞いに来るうちに仲良くなった木戸の両親だった。
「はい!成功です!」
医師がもう1度はっきりそう言う。
「良かった......」
「一ノ瀬くん...。もう暗くなる前に帰った方がいい。芽依は大丈夫だから...。御両親が心配するよ?」
嬉しさを噛み締める俺に、木戸の両親が言う。
腕に巻いている時計を見ると短い針がもう19時をさしていた。
ここから飛行機に乗って家にかえると、21時か22時になってしまうだろう。...確かに、もう帰ったほうが良さそうだ。
俺は木戸の両親に頭を下げ、家路へとついた。
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