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「弘!!昨日は遅くまでなにやってたの!!」
木戸の手術の翌日。学校へ行く準備をしていた俺に、親が金切り声で話しかけてくる。
いつもは俺がどれだけ良い成績をとっても当然かのごとくスルーするくせに...。
どうせ、俺が遅く帰ってくるせいで近所の人からのイメージが悪くなるのを恐れているだけだろう。
この人たちは、自分達だけが良かったらそれでいい人達なのだから。
〜♪〜♪〜〜♪
どう返事をしようかと考えていると、ふいになった俺の携帯。
ディスプレイには、公衆電話と表示されている。
「......はい。」
不思議に思いながら電話をとると、聞こえてきたのは、切羽詰まった木戸の両親の声。
『一ノ瀬くん...ッ!大変だ...!芽依の容態が急変して...』
そこまで聞いて、俺はすぐさま家を飛び出した。
後ろから親の叫ぶ声が聞こえたが、俺の頭の中は真っ白で、なんて言われていたかすら認識することができなかった...。
飛行機に飛び乗って、発進するまでの待ち時間すらももどかしい。
これから、木戸の所につくのは早くても2時間後...。
俺は、絶望的な気分で唇をかみしめた_____
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「朝から急に急変して...。」
やっと付いた病院。通された部屋で見た、顔に白い布が被せられた木戸であろう人のシルエット...。
横から涙を流しながら説明する木戸の両親の声も、聞こえず、俺は木戸を見詰めた。
「なぁ。嘘だろ...?」
本当は此処にいるのは他の人で、木戸は生きてて...。
震える手で、布を捲る。......そこに居たのは、紛れもなく木戸 芽依だった。
「芽依...?芽依、起きろよ...。」
吐き気が喉の奥からこみ上げてくる。脳が受け止めることを拒否するかのように目の前の状況がうまく読み込めない。
震える手で頬を撫でて、感じた...冷たい肌。
その瞬間、ダムが崩壊したかのように感情が一斉に押し寄せて来た。
「芽依!芽依!!!なぁ、芽依!!起きろよ!なぁ!!...起きろよぉ...」
近くにいた医師が止めるのを聞かずに、俺は木戸に呼びかけた。だが、もちろん返事はなくて...
いつも明るい笑顔を浮かべていた木戸の顔は、青白く、そして固く冷たくなっていた。
力尽きたように、俺は地面へと座り込む。
_______羨ましかったんだ。幸せそうに笑う君が。
明るく楽しそうに笑う、君のその笑顔が...
好きだ。
君のその笑顔が、俺は大好きだ。______
「あ...あ、うあああああああぁあぁああああああぁぁああああああぁあああぁあぁあぁああああ!!!___」
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