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相違
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そもそも、俺と谷村の接点は職場だけだ。
生まれも育ちも、話し方も全く違ったし。
それぞれ見た目も違えば、好みの女のタイプも、付き合い方だって、随分違っていた。
そんな俺たちがどうして、あんなに毎日つるんでいられたんだ?
なんで、何の抵抗も無く、ウチに呼んだり、出来たんだ?
他のヤツとなら、絶対にそんなこと、しようとすら思わなかった。
なのに。
アイツは、デカい土鍋を背負って来て。
ゲラゲラ笑う俺をネギでつつきながら、昆布だの塩だのを俺に出させて、湯豆腐を作っていった。
「実はオカン体質だったのか…?」
シャツのボタンが取れてる。
ネクタイが汚い。
襟足が伸びすぎてるから、いい加減散髪に行け。
寒いからって、軍手はめて通勤するな。
カノジョだって、あそこまでうるさく無かったぞ。
―ああ、そうだ。
禁煙も、競争しようと谷村が言い出したから、ノッたんだった。
『雨のにおいとか、もう1回感じてみたいとおもいません?』
なんでだろう?
アイツのことを思い出すと、泣きたくなる。
別にしんだ訳でもないのになぁ…。
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