アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
歌の7。歌を忘れたカナリアは
-
歌を忘れたカナリアは
「この子も歌わなくなった」
子供達が学校に行っている間
裏の炭鉱に大人達と共に行ったカナリアは動かなくなって帰ってきた
「死んでしまったのだよ」
炭坑夫と烏骨村神社の宮司も兼任している父親が息子と娘達に説明している
「坑内は危険な毒ガスや空気の薄い部分もある。それを見分ける為に飼っている」
小さなカナリア達は目に見えない毒ガスを見つけるため
命を持って人間に知らしめる
僅かな量の毒ガスでも小さなカナリアは人間よりも早く死ぬ
そのため探知機として使われた
「このカナリアも毒ガスを見つけてくれた」
「そう。あの子が悲しむね」
心優しい弟はきっと泣くだろう
「姉様、カナリアが啼きません」
帰ってきた弟はカナリアの亡骸を抱え温めていた
「寒いからでしょうか?」
冷たい体に息を吹き掛ける
「お兄様。いかがいたしましょうか?」
すぐ下の妹の問いかけに
「歌を忘れたカナリア…」
もう一人の妹が呟く
「その子は歌を忘れてしまったのです」
妹達が嘘をつく
「歌を思い出すまでそっとしておきましょう」
剥製を作るのが得意な近所のおじさんに頼み込み
カナリアを剥製にしてもらい
鳥籠に飾った
「歌を思い出したらまた歌ってください」
優しく語りかける弟の姿を眺めた
俺が右足と右目を失った時も
「俺が兄様をずっと支えます」
俺の右目となり
右足となってくれた
可愛い
従順な弟
そんなのあの子を
「バカな奴!だからお前は可愛い弟だ!」
ずっと俺の手のひらの上で
優しい弟は飛び立つこともなく朽ち果てる
「お前もあのカナリアと同じなんだよ!鳥籠から出れば死ぬだけだ」
バカで可愛い弟
大切なことを忘れた小鳥
その小鳥を両手で包み
力を込め
グシャッ
「んが…せんべい…」
「あ、起きた?」
気がつくと誰かの膝の上で
せんべいの入った袋を握りつぶしていた
「あ、誠史さんすみません!」
慌てて起きようとするも
「良いよ寝ていて。それと俺は誠史さんじゃないよ」
「あ、猿渡さん!すみませんでした。すぐに起きます」
「大丈夫大丈夫。君の好きなようにして良いよ」
頭を撫でる
「君の事が好きになった」
「あは、でも俺男で…」
「誠史さんの奥さんでしょう?でも君…」
蒼太の顔から笑顔が消える
「怒った?」
「いいえ。監視も居ないから気楽です」
再度寝そべる
「しかし俺達の事を良く知っていますね」
クスリと笑い
髪を弄る
「キモいよあんたたち!」
「蒼太クン。お前本当は誠史サンの事が嫌いなんだろう?」
目隠しをした巫女の視線
「従順な妻の振りも大変だな」
「右足を潰されて逃げられなくなって、面倒を見てくれるんだからサービス位はしないと」
髪をほどき
結び直す
「手伝うよ」
櫛を出し
髪を櫛梳る
「お上手ですね」
振り向き様に見つめる瞳に艶が混じる
ゴクン
「俺達も介護は出来るよ。もっと怖い…じゃなかった…動けない人の介助をしているから」
優しく押し倒す
「俺が新しい旦那様になるよ」
「いやあ~!皆で色ボケてますな!」
イヤホンを付けた巫女が湯飲みを持ち
笑う
「まさか猿のお兄さんにまで春が来るなんて」
神も湯飲みを持ち笑う
「しかしあの子も中々の役者だね~!好きでもない男の浮気に嫉妬するなんて」
「いいや、半分は本気さ。面倒を見てくれる奴が居なくなると困るしな」
「可哀想に…足を潰して無理矢理奥さんにされて」
「良くそんなことが言えるな…」
「それより宮司さんはどうしているかな?」
「うまくいってるんじゃないか?それよりそこのゴマせんべいを取ってくれ」
「目が見えないのに良くわかるね」
「匂いさ。それと…」
バリンッ
「うん。旨い」
「でしょう?」
実演されたせんべいの欠片を試食する
「お土産に買おう…と蒼太?」
俯いた蒼太に猿渡が覗きこみ
何処かへ連れていく
「ちょっ!どこに連れていくんだよ!」
少し苛ついた様子で後を追おうとするが
「人込みが…」
人込みでうまく動けない
「ちっ!邪魔!」
「鳥山さん!」
完全に無視された宮司は思わず声を上げ
「あ、すみません…」
小さな声で謝罪する
「ううん。俺の方こそ取り乱してごめん。猿渡さんに連絡してくれる?」
宮司の姿に冷静さを取り戻した誠史が優しく声をかける
「はい。もしもし、猿渡?俺だけど。蒼太さん…うん…うん…それはお前に任せる」
電話を切り
誠史に向き直る
「蒼太さんは疲れて眠ってしまったそうで、今部屋に戻っています」
「そうなんだ。かなりはしゃいでいたからね」
安心した誠史は
部屋に戻ろうとしたが
「蒼太さんは猿渡に任せて、あなたは俺と一緒に居て」
甘えてくる宮司に
「うん。可愛い宮司さん。今は君の側にいるよ」
頭を撫でキスをした
「はい。ずっと俺だけを見て」
「んあっ!ああっ!」
着物の袷を開き
むき出しとなった胸に舌を這わせると
蒼太は喘ぎ
猿渡にすがり付く
「ああっ!」
「可愛い声。甘い香り」
匂いを堪能し
蒼太の乱れた髪を直す
「ずっと一人で頑張ってきたんだね」
偉いねと頭を撫でる
「別に…俺は自分を見失わなかっただけです」
猿渡の手をとり
指にしゃぶりつく
「鬼の名前は伊達じゃない」
妖艶に微笑む
「俺を侮るな!烏骨村の巫女!」
「んくっ!んんっ!」
ちゅくっ
ちゅぷっ
誠史のペニスを夢中でしゃぶる宮司
「あは、可愛い…和臣と同じだ」
セックスをしたこともない無垢で美しい少年
「大事にしたい。和臣に出来なかった事をしてあげたい」
実の兄との喧嘩の延長で村を出ていった和臣
「優しく暴いて…」
「あっ!そこは!」
ズボンと下着を脱がされ
白い尻が剥き出しとなる
「可愛い…」
尻にキスをし
舌を這わせる
「はぅ…」
びくりと震える腰を掴み
太ももを撫でる
「昨日は怖かっただろ?でもこれは好きな人同士が行う物だよ」
「あ…俺達もですか?」
濡れた瞳が誠史の姿を捉える
「うん。俺も君の事が好きだよ」
弟みたいで
「あああっ!はあっ!あっ!」
仰向けの蒼太の左膝を抱え
ペニスを挿入する
「あうんっ!気持ちいい…猿渡さん…」
舌を出し
キスをねだる
「可愛い蒼太君」
猿渡もキスをし
ずんっ
「ふひゃああっ!」
深く突き上げる
「大事にするよ蒼太君。大切にして可愛がるよ」
「あふ…ぁ…まさしさ…」
あなたのあいつと同じことを言うのですね
「んぁ…何?」
腰を振りながら猿渡が尋ねる
「誰かの視線が」
不躾な視線
「ああ、巫女さんだよ。うちの巫女さん…」
「ぐふん!っ!ふっ!」
「おい…何をやってる?クソタコ」
客室に設置した隠しカメラの映像をみながら鼻息の荒い神に
巫女が眉を潜める
「いや、別に。それより可愛いねえ蒼太君も。エロ…うっ!」
ゴンッ
「あだぁーっ!」
「てめえ!マスこいてんじゃねえよ!人が見えないと思って好き勝手しやがって!」
「絶対見えてるよね!攻撃が正確過ぎる!」
「うっせータコ助!あーあ!こっちもベタベタにして!」
手探りで布巾を取り
乱暴に拭う
「わざとかけたんだ」
神の腕の中
目隠しと手足を拘束された幸一が眠り続ける
「この花嫁はこれが一番可愛い」
「実の兄貴にえげつないな」
クスリと笑い
空間を見やる
「全員逃がしはしない」
一人になった剛志にも村人が迫る
「この千里眼からは逃れられない」
巫女が布をはずし笑う
残された左目は光を失いながらも
何かを捉えていた
続く
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
76 / 147