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歌の10。だあれ?
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だあれ?
鬼当番
鬼の花嫁が不在中は狸が入れ替わり行う
当番
狸を率いて敵を排除する
「何だお前達は!」
「俺達を閉じ込めやがって!」
不気味な狸の面の男達に囲まれ
鬼梨達は悲鳴を上げる
「囲え囲え…」
狸達は刃物を研ぎ
歌う
「なあ、誠史はこいつらに痛め付けられたが、代わりはどうする?」
「そうだなぁ…って!誠史!」
「ごめんなさい!遅れました!」
新たな晴れ着に着替えた誠史が鳥辺野幸一と共に現れる
「誠史!お前は大丈夫なのか?」
「はい。ちゃんとお礼位できないと鳥井村の住人の名折れでしょう?」
にこりと笑う
「無理はするな」
狸が包丁を渡す
「先生」
包丁を持った誠史が語りかける
「ひぃっ!」
「先生は幸一に言いましたね」
どんなことがあろうとも人を傷つけてはいけない
「この人達は先生の知り合いなのに人を傷つけた。悪い狸だ」
男の手を狸がまな板の上に押さえつける
「何をする気だ!止めろ!止めろ!」
「悪いことをするこの手が悪い!」
ひゅんっ
だんっ
「ぎいやあああっ!」
男の手首に包丁が深く刺さる
「骨が引っ掛かるからな。後で切り落としておく」
「もっと上手くなりたいな」
「こればかりは慣れだ…とおい!」
目を背けていた鬼梨達に狸が怒鳴り付ける
「しっかり見ろ!お友だちがどうなっていくかをな!」
「次はお前達だ」
狸の宣言に
「許してくれよ!警察に出頭するから!」
「もうしない!こんな村はこりごりだ!」
鬼梨達が懇願するも
「もう遅いよ先生」
誠史が残った片手にも包丁を突き立てる
「今日はここまで」
泣き叫ぶ男に手当てをする
「ゆっくりじっくり殺してやろう」
狸達はそのまま牢に鍵をかけた
「大丈夫か?」
話を聞いた夏輝が駆けつける
「夏兄、俺は大丈夫だよ。役目が果たせて良かった」
笑顔を見せる誠史に
「お前は良い子だ」
夏輝は複雑な表情で抱きしめた
「本当に良い子だ」
一週間後
最初に懲らしめた狸が死んだ
10年後
「あー!これも可愛い!」
「あのー…」
「しかし地味ではないかね?」
「じゃあこれは?」
「うーん…これは胸の辺りが開きすぎて…」
「ちょっとー!」
重蔵とドレスを探す誠史に詩織が声を上げる
「私が着るドレスなんですけど!」
結婚式場
結婚を挙げる事になった誠史は詩織と重蔵夫妻と共にドレスを選びに来た
「だってどれも似合うから」
「お色直しを増やすか?」
「良いですね!」
「良くない!」
憤慨する詩織に
重蔵の妻が笑う
「まあまあ。私達はお茶でも飲んでいましょう。あの人達はまだかかるわ」
妻が詩織を連れ喫茶ルームに行く
「はあ…どれも詩織に似合いすぎる」
「詩織は美人だからな。彼女に合うもっと良いドレスを選べば良いのに」
「立派なドレスばかりです」
笑いながらドレスを眺める
「それより花嫁だが。カラスの幸一が教師仲間を紹介してくれた」
「ああ、鬼頭さんでしたっけ?」
大学教授となった鳥辺野幸一が送ってきた写真
「気に入らなければ和臣と結婚だ」
誠史の複雑な表情を見た重蔵が察する
「そうですね。和臣には可哀想だけど可愛がります。和臣が成人したら和臣にも花嫁を選んでもらっても良いし」
「あいつもお前になついているから嫌がる事はあるまい」
「そうですね…え?」
式場の下見なのか
仲の良さそうなカップル
「あの人!」
「ああ、知り合いの娘さんだ。可愛いが浮気はいかんぞ」
「しません!それより隣の男!」
「ああ。真面目な男らしいが知り合いはあまり乗り気で無いらしい。人を小馬鹿にしておると」
「そうではなく!あの人鬼島君だ!」
「鬼島?ああ…強盗に襲われたあの男の息子か」
「花嫁はあの人が良い!」
鳥井村
「宗巳ー!」
「どうした?和臣」
結婚式用の菓子の開発をしていた宗巳に和臣が駆け寄る
「誠史の様子がおかしい!」
「いやあれは詩織との結婚式で舞い上がっているだけだ。しばらくは我慢しろ」
「そうじゃないよ!」
「宗巳さん大変です!」
「誠史さんの様子がおかしいです!」
新しく入った手伝いの鬼手とヘルパーの元弥も駆け込んでくる
「君達まで。前に教えただろう?誠史は詩織馬鹿で一年中詩織の話をしないと収まらないんだ」
「あんなきれいな彼女なら当たり前かと…」
「そうではなくて!誠史さんが重蔵さんに付きまとっているんです!」
「前に観たドラマで妻と別れさせないように姑を唆す婿のような!」
「ああ!どうりで見たことがあるシチュエーションだと思いました!」
ドラマの話題で盛り上がる二人
「ドラマ好きなのはじいさんのヘルパー募集の条件なのか?」
「いや…本人の趣味。取り敢えず見に行ってくる」
「お願いします!」
「止めんか!股間を握るな!耳を舐めるな!君は鬼山君か!」
重蔵に絡み付き
ねだる誠史に重蔵が悲鳴を上げる
「珍しいな。重蔵さんが襲われている」
村の人間は助けることもなくのんびりと眺める
カシャッ
「助けんか!」
「珍しいから」
各々カメラや携帯を構える
「何やってんだ親父」
宗巳も呆れたように腕を組む
「鬼手君達がこれが世間って誤解したらどうするんだ。村の常識は世間の非常識」
「説教は良いから誠史を止めろ!」
「誠史、落ち着け」
夏輝が誠史を引き離す
「おっさんにまとわりつく姿は見ていて気持ちが悪い」
「誰がおっさんだ!誰が!」
「夏兄…」
「何があった?」
「鬼島の奴が懲りないな」
重蔵の知り合いより聞いた話によると
あれから鬼島の両親は離婚し
親権は父親に譲られた
左手の小指を無くした父親は会社に勤め続けたが
部署を変えられ
つい最近退職したと言う
そんな父親をあっさりと見捨て
息子は自立し
重蔵の知り合いの娘の心を射止めたと言う
「娘さんは賢いと思っていたが、恋は人を愚かにするらしい」
鬼島に夢中になった娘は父親の言うことを聞かず
婚約までしたとのこと
「まあ俺も詩織との事を重蔵さんに反対されても結婚します」
「反対すれば私がみったんに嫌われ…そもそもお前達を反対する理由がない」
「だったら花嫁も反対しないでください」
「それは反対だ!」
「重蔵さん~!」
すがり付く誠史に重蔵の足がもつれ倒れ込む
「誠史ーっ!」
「すみませーんっ!」
「何をやっているんだか…」
夏輝がため息を吐き助け起こす
「誠史の滅多にない願いなんだから叶えてあげませんか?」
「お前は相変わらず誠史には甘いな」
恐らくは相手に嫌われて泣くであろう誠史
「可愛い弟の願いを叶えたいのですよ」
クスリと笑う
「どうせ落ち込んだ誠史で遊びたいのだろう?」
呆れた眼差しを向ける
「まあ良い。あちらの親御さんにも相談されていたしな」
悪辣な笑みを浮かべる
「可愛い狸の為に最低の花嫁を…」
続く
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