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54 正宗
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俺と響はファミレスで分かれ、俺は帰ろうとしていた。
少しゆっくりし過ぎたな。
早く帰って夕飯を作らないと。
俺は帰る足を少し早める。
「ねぇ、これなんてどうかしら!」
ショッピングモールで買い物をするカップルの声が聞こえてくる。
いつもなら他人なんて気にせず帰るのに
何故か今日は羨ましいな、なんて思って2人を見る。
「……にい…さん?」
兄さんだ。
可愛らしい女の人と腕を組んでいる。
「なんで…」
見たくない。
そんなの嫌だ。
「嘘だ…」
俺は自分で思っていたより、兄貴の言葉を信じてしまっていたらしい。
俺は走ってその場を立ち去った。
家に着いても夕飯を作る気にはなれなくて部屋にこもった。
俺は泣き続けた。
そして兄貴が帰って来る前に泣き疲れて眠ってしまった。
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