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番外編 誠人の場合15
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「…よしっ、目を開けてもいいですよ。」
僕がそう言うと光希はゆっくり目を開く。
「どうですか?」
鏡を前に置いてあげると、
「ありがとうございますっ」
嬉しそうに笑う光希が愛おしい。
どうしてもというので俺は極力すっぴんに近いメイクを光希に施した。
光希の笑顔が引き立つような、そんなメイク。
「でも、どうしたんですか?急に女装なんかして。」
「俺、好きな人が出来たんです。」
「…。」
「だからその人にオレの事見てもらえるように、その人の好みに近づこうと思って。」
…なんだ、できたのか。好きな人。
「そう、なんですか。」
僕はついしゅんとしてしまう。
「でも、俺から告白するつもりはありません。向こうから告白してくるの、待つつもりです。
だから誠人さんも、俺がその人と付き合えるように協力して下さい!」
なんで僕が。
僕は協力なんて出来ないよ。
そう思っていても
「分かりました。」
僕は本心が言えない。
「やったぁ!じゃあ早速今週末、僕に服を選んで下さい!」
「…僕でいいんですか?」
正直僕はファッションには自信が無い。
「いいんです!誠人さんの好みが知りたいので。」
「…そうですか。」
この時、僕は重要な言葉を聞き逃していた。
光希が俺の好みが知りたい、と言っていたのに気づくことが出来なかった
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