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街に入るとギルドは直ぐに分かった。いや、直ぐにと言うと語弊があるか。
ギルドは大きくて、そのせいで近くに行っても、これがギルドだと聞くまでわからなかった。
ギルドは役所の隣にある、大きな塔だった。何処までも高く伸びた塔の先は雲にまで届き、果てが見えない。
紫桜曰く、何処まで伸びているのかは誰も知らないし、実際塔を登ることは古くから禁じられていると言う。
天界は神の領域。踏み入れた者は神からの裁きが下る。と。
神と言えばネーレだよな。元気かな。昼に別れたばかりだけど。
チラリと横にいる紫桜を見る。
「何だ。見るな。」
からかいすぎたせいで冷ややかな視線を向けられる。
…可愛くない。ネーレはあんなに可愛いのに。
全く、眉間に皺寄せる程嫌なら城に帰ってほしい。
なんて言えるはずもなく。
ギルドの近くに良さそうな宿があったので、そこに入る。こじんまりとしていて綺麗な宿だ。
王子様なら「貧乏くさい」だの「狭い」だの文句を言ってくると思ったが、珍しいのか気に入ったのか知らないが、少し嬉しそうに借りた部屋の中をきょろきょろしている。
…可愛いとか思った自分を殴りたい。
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