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「ベッドが1つしかないんだが、四悠は何処で寝るんだ?」
「は?」
因みに今の「は?」は何でツインで頼んだ筈なのにダブルになってるんだの「は?」ではなく、
何で紫桜がベッドで寝る気満々なんだよという「は?」である。
「どこって、俺はベッドで寝るけど。そして風呂に入ってくる。」
じゃあ僕はどこで寝ればいいんだとボヤく紫桜を尻目に浴室へ向かう。
異世界で毎日風呂に入れるのは貴族だけとかいう風習はなく、宿にもそれぞれの部屋にシャワーと浴槽が付いている様だ。
風呂好きな日本人としては嬉しい。
「…えーと」
上半身の衣類を全て脱いだところで、紫桜が脱衣所の扉を開けて入ってきた。
そしてそのまま服を脱ぎ始める。
露わになっていく白くて細い身体。同性だと分からせる、その薄い胸でさえ欲望をそそり立ててくる。
細くはあるが不健康なそれではなく、適度に筋肉も付いている。
顔もそうだが、身体つきも漢らしくなく、ゴツゴツしすぎず触れたくなる様なしなやかさが伺えた。
──見た目は好みなんだよな。
「?何だ」
邪な目で見られていると気づかない紫桜はきょとんとした顔でこっちを見てくる。
「いやいやいや、何だ。じゃないだろ。何で紫桜まで脱いでるんだよ」
「風呂に、入るんだろ?」
「「……」」
…この世界では皆で風呂に浸かるのか。
「って、こら、待て待て待て、」
ズボンに手をかける紫桜を全力で止める。
この世界で普通だろうが何だろうが、俺は同性愛者であり、例え男同士であれど裸の付き合いは厳しい。
いや、男同士だからこそ厳しい。
「あのな、俺がいた世界では普通風呂は1人で入るもんなの。だから紫桜は後で入れ。」
「は?この世界だって風呂は1人で入るものだぞ?」
何言ってんだコイツ、とでも言いたげな目で紫桜が見てくる。お前が何を言ってんだ。
「じゃあ何で一緒に入ろうとしてるんだよ」
もしかしてあれか。一番風呂じゃないと嫌みたいなあれか。
王子様だもんな。平民の後のお湯なんて使いたくないですもんね。
なる程。理解。
「体を洗って貰おうと思った。」
なる程。わからん。
「自分で洗いなさい。」
「え」
「…え?」
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