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違和感の正体がわからないまま、俺は紫桜の赤くなった背中を指で撫でる。
申し訳なさが先立って、自然と労わるような指使いになってしまう。
「お、おい、四悠」
「え、何?」
「その、く……、背中はもう良い。」
く?
……ああ。
「いや、まだ洗えてないところがあるから、もう少し待ってろ」
俺は人差し指で背骨をなぞるようにしてみる。
「うぁ、っ、」
くすぐったいのがダメなようで、そう言えば紫桜は耳も弱かったな。
反応の良さに笑いを堪える。
「どうした?」
「…態とだろ」
「…何が?」
「だからそのっ、ひっ、ぃやっ、ふふっ……〜やめろ!」
脇腹も弱いと。
「はいはいすみませんでした」
腕を掴まれたので大人しく降参する。
掴まれたついでに手と腕を洗ってやる。
……そう言えばスポンジ置いたままだった。
俺は今、掌で直接洗っている。滑らかな紫桜の肌を直に感じてしまった。
思った通りの柔らかさで、ずっと触っていたいと思わせる肌だった。
あと擽った時に紫桜が暴れたせいで、今向き合っている状態なんだが。色々やばい。
お互いに大事なところはタオルを巻いて隠しているが、それでも色々やばい。
紫桜は何も言わないが、直接触れられている事に何とも思っていないのだろうか。
「前はご自分でどうぞ」
「は?」
背中と腕は良いが、それ以外は本当にお察し下さい。
「……」
察してくれない王子がジト目で見てきます。
俺はため息を飲み込み、スポンジを拾い上げ、紫桜の後ろに回る。
考えたら負けだ。
これは美人な男ではない。上から目線のムカつくクソガキだ。うん。
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