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トラ先生の悪夢①
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ぼくの通っている学校は、異文化交流の一貫として有志で募った生徒を定期的に各国にショートホームステイさせる制度を設けていて、ぼくはトラ先生とおつき合いする前にこれに申し込んでいたのですが…
そのことをすっかり忘れていて、トラ先生に三週間ほどスウェーデンに滞在することをお話したところ、予想通りただでは済まず、
「嫌ぁ〜!イヤッ!嫌よぉ〜!」
トラ先生が泣きわめいてます。
涙と鼻水とでぐしゃぐしゃになり美猫ヅラが崩壊している様は、凄まじくて…
「キャンセルしてっ!取り消してっ!い"がな"い"でえ"〜!!!」
びょうびょうと流れる涙にタオルをそっと当てて拭きながらぼくは根気よくトラ先生を説得する。
「いえ、いまからキャンセルは出来なくてですね…。もう向こうのホストファミリーの方たちとメールで情報交換もして、とても楽しみにしてくださっているんですよ。
それにぼくも応募資格の試験をパスするのにけっこう苦労したので、せっかくの機会を逃したくないです。すみませんが今回ばかりは譲れません。」
ぼくはきっぱりと渡瑞する意志を伝えました。
「ぎゃああっ!るうちゃんのばかばかっっ!意地悪な子っ!!」
さらにバタバタとのたうち回り、あたしがこんなにお願いしているのにと泣きわめかれる。
「三週間も会えないなんて耐えられないわっ!
あたしとは住まないくせに見知らぬ金髪どもとは生活するのっ?
お風呂のぞかれたらどうするのっ?
夜這いされたらどうするのっ?
寝顔を隠し撮りされたらどうするのっ?
こっそり歯ブラシを毎日すり替えられるのよっ!?
るうちゃんが食べ残したのを邪な気持ちで平らげるのよ!?
るうちゃんのパンツをイヤラシイ手つきでお洗濯して干すのよっ!?わあああんっ!!!」
「……。」
手のつけようが、ないです。
「…お世話をしてくださるのはその家の奥さんですよ。お子さんは小学1年生の男の子で、ご主人は少し年の離れた愛妻家で良識のある壮年さんです。」
「るうちゃんひどいっ!!あたしのこと良識のない中年男だと言いたいのねっ!?」
ぶわわわわ、と大きな猫目から新たに涙を溢れさせ、鼻水を垂らしたまましゃくり上げられる。
「……。」
本当に手のつけようが、ないです。
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